第2話 前世の記憶を思い出す

 違和感を覚えながらも敬語をやめるとメイドは部屋から出ていった


「それにしても、この部屋大きい」

 

 この部屋だけで彩夏の部屋の4倍はある。

しかも、高そうな調度品がたくさん置かれてる。


「痛っっっ」


 またズキりと頭が痛む。

反射で頭をおさえるとそこには包帯があった。


「まぁ、馬から落ちたんだし包帯くらい巻いてあるよな。あれ、じゃあ階段から落ちたのは...」


今度はビリビリっと頭に電流が流れたかのように感じると、今度ははっきりと記憶が蘇った。


「これは、前世の記憶?」


 そうだ、前世は第一志望の高校の受験に受かって春休みに浮かれてたら、階段を降りてるときに、踏み外して死んだはずだ


《前世の名前は、七海 彩夏。特別なにか凄かったわけじゃないけど、部活も学校も好きで高校も楽しみだったのに~。》


 明るく誰とでも話せるムードメーカー的存在の彩夏はしょっちゅう、何もないとこでつまづいてしまうようなうっかりさんだった。その性格もあって階段で躓いて死んでしまった。


 はぁ、もう前世には戻れないのか...こんなことになるなら、部活を楽しむだけじゃなくて、ダンスとか料理とかクライミングとか乗馬とかバイオリンとか色んなことやっておけばよかったなー


 今世では、やってみたいと思ったもの片っ端からやっておこ。あっでも、やるからにはしっかり極めたいよな


 そんなこんなでどんなことにも全力でやってみる令嬢が誕生したのだ。このあと、そのせいで厄介なやつに捕まるとも知らずに...


 ある程度、前世とも区切りがついたところで今の状況を確認してみる。


 さっきは混乱してて、訳わかんなくなっていたけど私アンヴィーヌ・ド・リリアンナは、乗馬のレッスン中に馬から落ちたのよね


 今世を1から生きてはいる。けど、前世の記憶を思い出して性格がそれに引っ張られている感じがする。


てか、乗馬やってみたいって願いはもう解決じゃん!!このチャンスは活かすしかない!本気で習ってみよう

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