お母さんの好きな乙女ゲーに転生?

第1話 悪役令嬢混乱する

 あっやばい...

そう思った瞬間には階段から落ちていた。


 目を開けるとそこには派手なピンク色のカーテンがかかった天窓があった。


「ここは...」


「リリアンナ様のお部屋でございます」


「痛っ」


「お体の調子はまだ万全ではないでしょう。安静になさってくださいませ。」


 私のことをずっと看病してくれてたのだろうか。20代の女性が疑問に答えてくれる。


 頭がズキリと痛んだあと、だんだんと今の状況を理解した。


「そうだ馬から落ちたんだ」


あれ私、階段から落ちたんじゃなかったけ?

ーガシャ


「アンナ様!!」


 叫ぶ声と同時にドアが開き10代後輩くらいのメイドが入ってきた。


「アンナ様が1週間ぶりに目を覚ましたとお医者様連絡が入りとんできた次第であります」


「私、そんなに寝てたのですか」


「アンナ様が私呼びに敬語!?」


「何があったのですか?お嬢様は旦那様に敬語もご自身のことを私と呼ぶことも上の立場としての威厳がなくなると仰っられていたじゃないですか」


 ん?...頭が追いつかない。取りあえず目の前のことを片付けよう


「いつもは私自分のことをなんと読んでいましたか?」


「もちろんわたくしです」


「そうなんですね」


「アンナ様、それよりメイドに敬語を使うのはおやめになってください 旦那様に私が叱られます」


「...」


「...」


「...」


私が様呼びされてる...

「えっ...ちょっと待って私ってお嬢様?」


「本当に何があったのですか」


 メイドが不思議そうにこっちを見てくる。


「馬から落ちてまだ頭が追いついてないみたいです 1度1人になっても良いですか?」


「承知しました。なんといっても馬から落ちたのですし、頭が混乱しているのはわかるのですがしかし敬語は早急におやめになってください。早急にです。」


 2度も早急にって言われてしまった。これは早めに直さないとやばそうだぞ...


「分かった...」


これでいいのか...


※ ※ ※


あとから、メイドの人に聞いてみると、看病してくれていた女性は、クラッティーニ領の伯爵夫人のビアンカ・ラ・クラッティーニ様らしい。しかも16才らしい。大人っぽすぎない?

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