実習で一緒だった女性が放った一言
私は、専門学生のとき、とある病院で実習を受けた。
これは、そのときの体験だ。
その実習は、別の学校に所属する女性と一緒だった。
彼女は常に笑顔で言葉数も多く、優しかった。
私より一週間前から実習に参加しており、実習の先輩という立ち位置でもあって、実習先のバイザーさんのことや実習での過ごし方、決まり事などなどについて色々教えてくれた。
そんな頼れる女性だったのだが、ある日、休憩中に、突然、こんなことを口走ったのだった。
今朝、この病院の一室で首をくくった医師が居る。と。
彼女は、そのときも、いつもと同じ笑顔を浮かべて居た。
そのとき思い出したのだが、彼女と私は何度かバイザーさんに怒られたのだが、その度に彼女は笑っていた。本人が言うには、怒られたり、緊張したりすると笑ってしまう体質らしいが・・・
後に、話していてわかったことだが、彼女は学校に3つ隣の県から新幹線で片道1時間半程かけて毎日学校に通っていたらしかった。同じ資格を取れる学校は彼女の住んでいる県にもあるにもかかわらずだ。
実習中は駅前のホテルに滞在していて、駅前の王将でチェーン店で初めて食事を取ったとも言っていた。
そんな少し浮世離れしている彼女との実習生活も終わりを告げる。
彼女は、私より一週間先に実習を終えたのだった。私は、駅前で実習でお世話になった感謝の意を彼女に伝えた。すると、彼女は、いつも通りの笑顔で私と実習記念にツーショットを撮ろう!と言い始めたのだった。そこまでお互い仲が良いわけでも無かったので、私が拒否すると、無理矢理、私を引き寄せて、自撮りをしてきたのだった。そして、私と彼女のツーショット写真は彼女のスマホに保存されたのだった。
私たちは連絡先も交換してなかったので、その写真がどうなっているか、彼女がその後どうなったか知るすべは無い。
それだけの話である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます