夜空に浮かぶ火の粉

 これは私の兄が保育園だった頃に体験した出来事だ。実は私も赤ん坊の頃体験したものであるわけだが、当時の記憶は全くないので、兄と両親から聞いた話を元に書いている。


 地元の花火大会で私たち家族はレジャーシートの上で座って花火を眺めていた。

 花火大会もクライマックスの頃の出来事。たくさんの花火が夜空に浮かび上がって場が盛り上がった時にそれは起きたという。

 

 花火が上がった後に発生した火の粉が客席に光りながら飛んできたのだ。風が強い日であり、その風が偶然客席に向いていたがために起こった悲劇だった。

 そして、なんと、その火の粉は兄の手の甲を直撃した。兄の手の甲に残った火傷の跡は暫くの間取れなかったという。

 兄と両親は毎年、花火大会の日になると、この話をするので、当時の記憶が無い私にも印象深い話だ。

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