ミニマリストの脳は口ほどにものを言う?(PC閲覧推奨)

 俺は、ミニマリストで、25歳独身。

 四畳半の必要最低限の家具しか置いてない部屋で過ごしていた。

 ミニマムな生活を5年以上続いていたので、貯金はたんまりあった。

 それで俺は、更なるミニマムな生活に憧れて、とある手術をそのお金を使って受けた。


 俺は前から思ってた。

 髪の毛を切ること、眉毛を整えること、食事を取ること、そして…病気になることなど、これらの人生にとって、余計なことは俺に身体があるから生じるのだということを。身体があり細胞分裂を繰り返すことで、毛髪は伸びるし、エネルギーを消費することでお腹が減る、病気は体のどこかが不調を起こして起こる。


 だから―――


 俺は身体を捨てることにした。


 俺は脳を義体に移植し、生きることに決めたのだ。

 2050年現在では、人間の義体化が進んでいる。

 今は、かなりの貯金が無いとできない義体化手術だが、その内、低コストでできる日がくるかもしれない。

 髪の毛は寝癖の起こらない特殊な形状記憶毛で髪型を自由に選べるタイプにしたし、眉毛は人口毛で伸びないタイプなので剃らずに済んでいる。病気に関しても、脳の病気以外は考えなくて良くて楽だ。後、寿命が来るまで、見た目は若いまま生きられるという利点もある。ただ1点、食事に関しては問題がある。俺は食事を取らなくて良いタイプの義体にしたのだが―――

 

 常に、

 頭の中が


      食事食事食事  食事  食事食事食事

    食事食事食事食事食事食 事食事食事食事食事食事

   食事  食事食事食事食事 食事       食事食事

  食事            食事          食事

食事食事 食事     食事  食事   食事食事食事  食事食事

食事食事 食事食事   食事  食事  食事    食事 食事食事

食事食事 食事食事食事 食事  食事  食事    食事 食事食事

食事食事 食事   食事食事  食事  食事    食事 食事食事

  食事 食事     食事  食事   食事食事食事  食事

  食事            食事          食事

   食事       食事食事  食事食事      食事

    食事食事食事食事食事食事  食事食事食事食食事食事

          食事食事食事   食事食事食事

              食事   食事

              食事   食事

               食事 食事

                食事


 という言葉で埋め尽くされている。お腹が空いたという錯覚が脳を支配しているのだろう。はっきり言って心苦しい。

 病気のリスクは今の義体より高まるが、食道や胃を残し、食事を取れる義体を選んだ方が良かったかもしれない。皆さんは気を付けて…

 

              

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る