目視確認

「俺あんまり頭よくないから先輩が死んでもしばらく経ったら忘れそうなんで、できれば葬式には呼んで欲しいしもっと言うと遺骨とかそういう駄目押しみたいなもんもらっておきたいんで、その辺ご家族とかに何となく伝えといてくださいよ、ちゃんと香典包んでくんで」と後輩が咥え煙草のまま笑うので、こいつ葬式に来る気なのかそもそも当然のように俺の方が先にくたばる前提なのかそもそも家族に何をどう説明しろっていうんだとか色んなことを思いつつ、確かにこいつ喪服とか似合いそうな顔してるもんなと煙草を咥える後輩の口元の黒子を見つつ、どう返答したものかを迷いながら俺は黙って煙を吐く。

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