燃え落ち・爆ぜ消え・焼き付けて
原崎先輩は馬鹿なので、月に一度は曰くつきの廃墟や廃屋に行っては乱暴狼藉を働き、そのたびに指が取れかけたり舌先が裂けたりという目に遭っても一向に懲りる様子がなく、この人死にたいのかなと思っていたが、先の土曜の夜に俺を飲み屋に呼び出して「こないだ行ったとこマジだったみたいで、何か俺半年持たずに死ぬらしいから、どうせならお前が嫌いなやつ教えてくれよ、道連れにするから」と梅酒のグラス片手にいつものように笑う先輩は居酒屋の薄暗い照明の中でも分かるほど酷い顔色をしていて、殺したい人はいないがあんたの死ぬところが見たいと言ったらどんな顔をするだろうと思いながら、俺は気の抜けたビールを喉に流し込む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます