標
住人が事故死や心中や後追いで全滅した隣家の庭先には小さい花壇があったのだが、いつからかその花壇の真ん中にアイスの棒が一本刺されていて、その棒が現れたのと前後して「廃屋の窓が夜中になると紫色に光る」「玄関に逆さ吊りになった人間が揺れていた」「甲高い笑い声が午後二時から三十分延々と続いた」などの噂が囁かれるようになり、恐らくはあの棒のせいなのではと近所の人間は皆うっすら考えてはいるものの、棒一本でそんなことになるわけがないという常識とそんな現象を起こすきっかけになったかもしれない棒を始末して何事も起こらずに済むだろうかという葛藤により、未だに誰も花壇の棒には手を出せずにいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます