夜走るプラネタリウム
「貰いもんだけど俺もいらねえからやる」とバイト先の先輩から渡された小型プラネタリウムは、使ってみると築十五年の防音に問題のあるボロマンションの天井でさえなかなか風情のある代物になるので、喫煙所で給料日前になると煙草をせびってくるような先輩でも役に立つことがあるのだなと思っていたが、何度か使っているうちに起動してから一時間以上経つと外の非常階段を何者かが猛烈に駆け上がってきては俺の部屋の前で赤子のような泣き声をプラネタリウムの電源を切るまで上げ続けるということが分かったので、俺は一時でも先輩を見直してしまった自分に対して腹を立てている。
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