推定的兄弟間交流
週に一度、木曜の真夜中に自室の布団で眠っていると首を絞められるのだが、目を凝らしても痩せた蜘蛛のような手が巻き付いているのが見えるばかりで、しかも絞め方さえ多分に戸惑いが感じられるような曖昧な力加減なので振り解くのも躊躇われ、とりあえず観察していたところ、その骨張った親指の付け根にある攣れた傷跡と薬指の指輪から察するに結婚して家を出た兄の手のような気がするのだけども、兄は二年前に寡夫になり指輪は早々に処分したはずなので、結局この手は誰なんだろうと首に触れる指輪の感触に眉を顰めながら俺はいつものように眠りに蝕まれていく。
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