地獄のように、悪魔のように
七つ上の兄は優秀なので、俺のように愛想のなさで父に殴られることも素行の酷さを母に責められることも要領の悪さで祖父母に憐れまれることもなく、あの家とその周辺で自慢の息子として真っ当な社会生活を送っているのだけども、それでいて高校卒業と共に都会に逃げた不出来な弟とも交流を欠かさず月に一度顔を見に来るので、俺が最低限のもてなしとして唯一父親から教わったやり口で淹れたコーヒーを飲んでは「お前の方が父さんに似ているからな」と悪口じみたことをひどく穏やかな目をしたまま言うので、恐らくはそれがこいつにとっては賛辞なのだろうと理解しつつも、いつか毒を盛るか殴り殺すかしてやろうと思ってしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます