心霊写真(偽)

 痴情のもつれで失くした左腕が五年経ってもときどき写真に写ってしまうので、その度に説明をするのが面倒だし年々頻度が上がってきているし近況報告笑い話として弟に話したら殴られるしでろくなことがないので、どうにかしたほうがいいんだろうかと帰省した実家の仏間で考えを巡らせても適切な対応策はまるで思いつかず、網戸から吹き込む夏風に空の左袖が揺れている。

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