酔歩、散歩、闊歩
サークルの飲み会の帰り、ほろ酔いで自宅に向かう俺の前を歩いているスーツ姿の男性が左腕に抱えているものが大きさも形もどうやら人の頭部のように見えるので、多分スイカなんだろうけど夜道で裸のスイカ持ち歩いてんのも怖いしなと考えていたのだけども、三叉路に差し掛かった途端に男性が立ち止まったかと思うとこちらを振り返り「兄です」と厳かに言い、抱えられた首まで空ろな目をゆっくりと二度瞬かせたので、とりあえずこちらも数度頷けば男性は晴れやかに笑ってから一礼して角を曲がっていったので、俺は今から朝まで飲める店が駅前にあったかを考えながら街灯の点滅を眺めている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます