回避手段かつ自爆手段
叔父が住んでいる物件は、玄関を開けて二回柏手を打ってから入らないと爪が剥がれるし、ベランダに一週間に一度は煙草を供えないと耳が欠けるし、ロフトに時計を置くのは論外で、叔父曰く「守んないと三人は死ぬんだって」とのことで、半信半疑ながらも俺はタダ飯と有料チャンネルの映画目当てにこれら細かな決まりを守って入り浸っているのだけども、なんであんたこんなとこに住んでんのと渋めの深夜映画を缶ビール片手に観ながら問えば「守ってれば平気ってことは、終わらせたくなったら守んなきゃいいってことだし」と天気の話でもするような調子で答えられて、俺は映画の冗長な問答に気を取られたふりをしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます