第5話 エネルギ→モン☆スタ←ズ:育成アプリゲーム/八日目(ゲーム時間)


〈前書き〉

 途中になってしまいますが、これでおしまいです。



「皇海どう? ゲームした?」


 武尊がスマホを片手に訊いてくる。

 覗いて見ると、昨日勧めてきたゲームとは違う。

 こいつ、掛け持ちをしているのか。浮気性だな。



「したした、とりあえず、一週間くらいは進めたよ」

「おぉー、いいかんじじゃん。どう? 皇海のたまちゃんは変化した?」

「えーーっと、特には……普通の白いたまごのままだけど」


 あの白いたまごって変化するんだ。色でも変わるのか? それとも模様ができるのか?



「へぇー、俺のは五日くらいで変化したけどな」

「まじか、でもまだ一週間だし、そのうち変化するだろ?」

「だな」


 家に帰ってアプリを開いたら、たまごが変わっている可能性があるのか。嫌だな、俺は白い方が好きなんだけど……






「よかった、普通の白いたまごのままだ」


 自室でゲームを立ち上げると、白いたまごがコロリと転がっている。

 やっぱり、たまごは模様なしの白が良い。我が斎藤家のたまごは、白がベスト。冷蔵庫に並んでいる卵も、そう言ってる気がする。






「今日は何をしようかな~」


 進めていくと、選択肢が三つ出る。このゲームの選択肢は、全て三種類っぽいな~






 ①音楽を聞かせる


 ②絵本を朗読する↑〈New〉


 ③たまごをあたためる↑(New)






 おっ、新しい選択肢が二つも出現。②と③か、どちらにするかな~

 個人的に気になっているのは、たまごを温める……いや、待て、待て、ゆで卵になってしまうではないか。

 やめだ、俺は②を選択する!






 ピコン、と次の選択肢が出る。






 ①楽しい絵本を読み聞かせる↑(New)


 ②悲しい絵本を読み聞かせる↑(New)


 ③こわい絵本を読み聞かせる↑(New)






 ………………?


 えっ、これって、①しか選べなくない?

 初めての絵本で、②と③を選ぶヤツ、まずいないだろう?!

 何これ、引っかけか?

 とりあえず、①を選択っと。






 たまごから音符とハートが飛び出す。

 たまご、めちゃくちゃ嬉しそうだ。

 良かったな、たまごよ。俺が②か③を選ぶヤツじゃなくて……

 何かちょっと面白くなってきたな。もう少し進めてみるか。


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