猫天使if  依存して 依存させる


注・実験的に百合(ガールズラブ)要素をマシマシにして書いた話です。

ストーリーに直接関わりはありません、続編を書いたとしても話に全然関係無く、繋がってないので気をつけてください。


あったかもしれない世界線って感じです。


そして運営さん、

作者的にギリギリを攻めました。アウトだったらすみません。


以下の要素が含まれます。


・ヤンデレ ・記憶喪失


苦手な方は注意してください。



ーーーーーーーーーーー



殆どの人が寝静まった深夜。

この家は未だに電気が付いていた。部屋の中では静奈が天使化した猫に背後から抱きしめられていた。


「天使さまぁ…」


左手をお腹に回し、右手で頭を撫でる。それだけで静奈は幸せで一杯になっている。


「私の名はリエルだろう?」

「ね、猫ちゃんが、天使様だって知らなくて…」

「名をつけたんだ、リエルと呼んでくれたほうが私は嬉しい。」

「リエル、さま。」

「様は要らない。」


何故こうなったのか、それは少し前に静奈が寝言で呟いた一言が原因。


『お母さん…』


その一言に猫は嫉妬した。

出来るだけ優しく起こし、寝ぼけている静奈を撫で回した。


猫の力で幸福感を与えながら。


「怖い…」

「…私が居るのだ怖い事などない。

だが、怖いなら抱き締めよう。かなり和らぐはずだ。」

「あう…」


その幸福感は大き過ぎて恐怖を覚える程、思わず声に出した静奈だが抱き締められた事で消えてしまった。


「静奈、君の大切な家族は誰だ?」

「家族…?」

「そう、1番大切で一緒に暮らしたいと思える、そんな存在だ。」


この質問に対し猫の求める答えを言わねば、きっと大変な事になる。

冷静であれば静奈もそう理解できた。だが今はそんな余裕は無い、静奈は最悪の形で答えてしまう。


「お母さんにおtーー」

「もういい。」


口を少し強めの力で塞がれた。

静奈は大切な人達を言おうとした、もちろん猫も入っていたが猫の質問は1番大切の部分が重要だった。


静奈の過ちは1番最初にお母さんと答えてしまった事だ。


「んー!」

「可愛いな、だが許せない…」

「ん…」カタカタ


いくら幸せに包まれているとはいえ、猫の様子に恐怖を感じたのかカタカタと小刻みに震えている。


(人間の子供は親を求めるのか、ならば…)


「大丈夫だ、怖がらなくていい。

少し辛い記憶を消すだけだ。」

「?!」

「静奈は私と共に生きなければいけない。」


(私がなろう。)


人差し指を眉間に当てる。


「少し熱いかもしれないが耐えて欲しい。」


指先から光が溢れ出した。

少しすると目を見開き、体の震えが激しくなっていった。


「これで終わり。

よく頑張ったね。」

「あ、う…

わからない、わからないよ…」


記憶を部分的に消された静奈、泣きながら頭を抱えて、ブツブツと喋りながら消えた記憶を思い出そうとしている。


その姿を静かに見守っていた猫へと近寄り、縋り付きながら必死に訴えた。


「わからなぃ!

ーーーーと過ごした大切な記憶も、顔も、何にも思い出せないの…」

「大丈夫だ。」


消した記憶は猫以外の意思を持つ者の記憶。


つまり、

誰かと話した記憶、誰かと過ごした記憶、

誰かと……

その全てが消えた。


「りえる、りえるどこぉ…」

「私はここに居る。安心するといい。」


ついには精神的にも幼くなってしまった。

猫が目の前の天使である事もわからなくなってしまい、必死に猫を探そうと顔を動かしている。


「うわぁぁあ!!」

「大変、こっちを向いて。」


猫と静奈は目を合わせた。


(なんて、可愛いんだろう。)


「…!」

「鼻で息をするといい。」


人類は好きな者と愛を確かめる為にキスをするという。不安で不安で仕方ない静奈に愛を伝えるにはとても有効的だろう。


「は、はう…あ、あぁ…」

「安心できたかな?」


どれほどキスを続けていただろう、気づけば時計の長針は2を刺してたのに反対側へと移動していた。


キスが終わる頃には、口を半開きで目は見開き、荒い呼吸を繰り返していた。


「ふぅ、ふぅ…」

「ゆっくり息をするんだ。」


落ち着くまで背中を撫でながら待つ。


「ありあと…」

「不安は無くなった?」

「うん、大丈夫。」


顔は惚けて呂律が回っていない、だがしっかりと答えられていた。

強い不安が消えたのだろう。


「リエルは消えないよね…?」

「もちろんだ。

ずっと、ずっと一緒に居る。」


そう言って眠りにつく静奈、対して猫は朝になるまで起きており、力を使いながら撫で続けた。


窓から光が入り始め、朝日が昇る。

素敵な朝の時間をアラームに邪魔されたくなく、音の出る機械を破壊した。


「朝だ、起きれるか?」

「う、ん…」


(ふふ、寝ぼけているな?)


上半身を起こして座っている。

いつものように目は閉じて、頭が揺れている。


「可愛い目を見せてくれないと、キスしてしまうぞ?」

「うぇ?!ちゅー?」


(ん?なんだが幼いな。)


「りえるちゃん。」

「どうした?」

「ごはんたべよ!」


(ふむ…)


舌足らずで様子がおかしい。少し様子を見る事にし、朝ごはんを食べることにする。

大量の異形が現れたあの日から、頼んだ食べ物は結構早く来るようになった。


「ごはん!」

「あぁ、早く食べよう。」


だが猫の右手と静奈の左手が繋がったまま、流石に食べずらい。


「少し離してほしい、食べずらいだろう?」

「え…は、はい……」


そう言った瞬間、静奈の顔色が一気に悪くなり体が震え始めた。猫の手を離そうとしているが力が入ってしまって離すことができない。


(まさか、私から離れられないのか。)


「無理しなくていい。

私に寄りかかって共に食べよう。」


猫の予想通り、寄りかかるように座れば手を離すことができた。


「りえるちゃん、ありがとう…」


(素晴らしい。)


静奈は猫から離れられなくなった。

猫と触れ合っていなければ不安が一気に襲ってくる、もし離れてしまったらどうなるか想像もつかない。


そんな静奈を見て猫が感じたのは喜びだった。


邪魔な者は記憶から綺麗に居なくなり、猫と離れては生きていけなくなった静奈。


そして静奈の唯一になった猫は……


「つめたい…」

「これからは私が作ってあげよう。」

「うれしい!」



ーーーーーーーーーーー


以上です!

はい!ごめんなさい!


着地点がわからなくなってしまって…

他に小話とかが思い付いたら書きます、思いつかなかったら完結を付けます。


最後に軽い設定だけ


・ifルート ヤンデレ猫天使

すれ違いでやばい方向に変化した猫。

静奈の全てをお世話して、管理して、永遠に共に暮らす。

このルートでは過ごして行くうちに堕天する為、悪魔からは放置される。


本当は静奈と猫の立場が逆なのを考えてたんですが、無理でしたね〜。

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