第25話 イベント開始

 カプリス:それじゃあイベントのために色々やっていこうと思うんだが。


 今日の補習が終わり夜遅い時間。少しでもやろうということで、みんなで集まっていた。

 

 マール:楽しみにしてたけど思った以上だったわよね

 カプリス:そうだな。効果もデザインもいいやつめっちゃ出てたしな

 ルーナ:そうですね

 カプリス:でもその分素材がな……

 マール:お金も足りないわよね

 ルーナ:ほんとに申し訳ないです!


 ルーナが深々と頭を下げて謝ってくる。もう気にしなくていいって言ったのに。


 カプリス:大丈夫だって。運が悪かったってだけだろ?

 マール:そうそう、ルーナのせいじゃないから

 ルーナ:ありがとうございます


 ルーナにはそう言ったものの、時間がないのは確かだ。これじゃあ素材集めだけでイベントが終わってしまう。どうにかして間に合わせないといけない。


 カプリス:取り敢えず、イベントは一ヶ月間。頑張るしかないな

 マール:そうね。最低限欲しいものだけでもあげとく?

 ルーナ:そっちの方が集めるものも明確になるしいいかもね


 マールの提案から、各々欲しい家具をに二、三個あげていく。二、三個ならなんとかなるかもしれないなんて思ってたけど……。


 カプリス:これは……。

 ルーナ:やっぱり大変ですね

 マール:一ヶ月でいけるかしら


 みんながこの絶望的な状況を目の当たりにして沈んでいた。

 まず、俺が欲しいのは最初に言っていた聖剣。それに、教会にあるような厳かな雰囲気のある机と椅子。


 マールがあげたのがFTOマスコットキャラのぬいぐるみ。もう一つが、ものすごい煌びやかなドレス。


 そしてルーナは一つはマールと同じぬいぐるみの色違い。もう一つはピンクの可愛い本棚だった。


 カプリス:あれ? 二人とももう一つは?

 マール:二人で一緒のやつを作ろうと思ってるの

 ルーナ:だから内緒です

 カプリス:でも、教えてくれないと素材集めれないぞ

 ルーナ:言うと反対されそうですし……

 マール:いる素材はその時々は伝えるわよ

 カプリス:まぁ、それならいいんだけど


 なんだか嫌な予感しかしない。なんだよ、反対されそうな家具って。少し覚悟をしといた方がいいのか?


 マール:それじゃあ素材集めに行きましょ!


 そんなことを考えていると、マールのチャットが届いた。


 ルーナ:そうだね! 時間もないし

 カプリス:おう、サクッと集めるか


 まあ今は気にしても仕方がないし、素材集めへと向かうことにした。


 


 ルーナ:はあ、全然集まりませんでしたね

 マール:仕方ないわよ。いつもの半分も出来てないし

 カプリス:もっとやりたいところだけど……。


 そうチャットを打って時間を見る。時計はすでに二時を回っていた。いつもなら終わっている時間だ。


 マール:そろそろ眠くなってきたわよね

 ルーナ:そうだね。明日も学校だし

 カプリス:終わるかー


 みんなも眠そうだし、初日から無理をするわけにはいかない。


 マール:それじゃあ乙ー。また明日

 ルーナ:乙です

 カプリス:ああ、乙ー


 そのチャットを最後に二人のアバターが消えていく。


「よし、もう少しやるか!」


 テストでは二人には何も出来なかった。それのお返しといっちゃあれだけど、少しでも多く素材を集めないとな。


「二人が欲しい、素材は……っと」


 ゲーム内でメモしていた紙をもとに、再度素材集めへと向かった。

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