第4話 登校ってこんなに素晴らしいものだったっけ?
お昼の11時過ぎ。
俺は明日香さんと共に学校に登校していた。
正直時間も時間なだけあり、案の定沢山の人に見られたが、今日はいつもの数倍の目線を集めた気がする。
ふっ……俺がカッコ良過ぎるせいか(本当に調子に乗ってごめんなさい)。
まぁ理由は十中八九美少女過ぎる明日香さんのせいだろう。
彼女はギャルで金髪に染めているだけあり、それと俺達が制服なのも相まって物凄い存在感を醸し出していた。
それと同時に顔馴染みには物凄く温かい目で見られ、物凄く恥ずかしくなった。
そうそう、恥ずかしいと言えば———。
「…………ねぇ明日香さん?」
「ん? どうしたの?」
「そろそろ俺の腕に抱き着くのやめません?」
俺は色々と距離感バグっている明日香さんにそう言ってみる。
明日香さんは現在俺の右腕を、その大きく強調された胸の谷間に挟み込むように抱きついていた。
普通にエゲツなく気持ちいいし理性がヤバい。
いや、別に嫌なんじゃないよ? 何ならとても素晴らしいとは思うよ?(素直)
でもさ、これ以上やられると好きになっちゃいそうだからやめて欲しいの。
好きになるのは来世からって決めてるの。
しかしそんな俺の切なる願いは———
「———やだ♡」
「何でやねーん」
2文字で粉砕された。
と言うか更にぎゅっと抱き着いてくるのは如何様なのか。
惚れちゃうよ? いいの?(鏡を見ろ)
「お、女の子はもっと自分の体を大事にした方が……」
俺がそう言った瞬間、明日香さんの瞳からハイライトが消え、雰囲気が危ないものに変化する。
そしてブツブツと言葉を吐き出す。
「———私は自分の体は大事にしてるけど? 何なら他のビッチ共より大事にしてるよっ? ん? 大事にしていない阿婆擦れとでも言いたいのかなっ? この見た目のせい? なら全部変えようかなっ?」
「———申し訳ありませんでしたそんなことは全く、微塵も思っていません」
俺は予想外の恐ろしさにそれはもう超速で謝る。
こ、こぇぇぇ……(ガクブル)。
ギャルってこんな静かに怒るんだ……(驚愕)。
心の中で(めちゃくちゃ表に出てる)ガクガク震えていると、普段通りの雰囲気に戻った明日香さんが明らかな嘘泣きをしながら言う。
「ぅぅぅぅ……しくしく。私物凄く傷付いたなぁ……誰か慰めてくれないかなぁ……?」
「うっ……で、でも……」
「慰めてほしいなぁ……? …………お願い優真♡」
「承知致しました幾らでも慰めましょう何をすればよろしいですか?」
美少女にお願いなんて言われれば断れないのが男のサガよ。それと名前付きでね。
これで断れる奴は既に美少女の彼女持ちか同性愛者だけだね。
ってことは同性愛者って実は無敵なのでは?
最近はBLとかGLとかのジャンルも流行ってるし、徐々に社会に浸透して行ってるしな。
そんな意味不明なことを考えていると、明日香さんが腕を離して俺の前にくると、頭を差し出してきた。
その行動には流石の俺も困惑する。
「?? え、えっと……?」
「頭撫でて?」
「…………………………んぇ?」
一体何を言ってるのこの人?
もしかしたら俺の聞き間違いかもと思い、もう一度聞いてみる。
「頭を撫でる? 俺が、明日香さんの?」
「うんそうだよっ☆」
「———へいSiri時を止めて。そして頭を整理する時間を下さい」
『何も再生されていません』
話噛み合わねぇなチクショウ……なんて言ってる場合じゃないわ。
え、いや、俺が頭撫でるマ?
俺の頭が混乱を極める。
幾ら友達だからと言ってここまでするだろうか。
少なくとも俺の常識ではそんなのフィクションの中だけである。
そんな出来事である学年二大美少女の頭を撫でる権利を俺が得るだって?
どんなご褒美かよ。
もしかして俺の善行既にカンストしてる?
「ねぇ、まだしてくれないの?」
「今すぐします」
上目遣いは禁術ですよ明日香さん。
俺はそんなくだらないことで気を紛らわせようとするが、全く効果が無い。
ふっ……自力で耐えるしか道はないか。
俺は緊張でプルプル震える手をそっと明日香さんの頭に乗せる。
その瞬間に物凄く手触りのいい感触が俺の手を支配した。
それと同時にふわっといい匂いまでしてくる。
お、女の子の髪サラサラで気持ちえぇぇぇ……一生触ってられるわぁ。(ただの変態)
しかし実際にそんなことをする度胸もなければ理性もないので、数秒経てば速攻で手を退ける。
ついでにお礼も言っておこう。
「ありがとうございました!!」
「あはははは! 変なのっ! まぁ今日はこのくらいで我慢しておいてあげるっ☆」
これ以上はあの子も可哀想だし……とかよく分からないことを呟く明日香さん。
しかしそんな彼女の言葉を聞いていれるほど俺は冷静ではなかった。
さ、触った……学年二大美少女の神聖なる頭に……!
後でクラスの男子に襲われないかな?
まぁバレなきゃ犯罪じゃないとか言う格言もあるし大丈夫でしょ(そもそも犯罪はしてはいけない)。
そんなこんなで俺は人生で1番楽しく、心臓と下半身に悪い登校を味わった。
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