第66話 伸ばした手
❈お陰様でPVが10000を超えました!
偏に読みに来てくださっている皆様のお陰です!
特に毎回訪問してくださる読者様には感謝の気持ちで毎回画面に向かって頭を下げております。
皆様、この場をおかりしましてお礼申し上げます。
これからも精進してまいりますので、引き続き応援よろしくお願い致します。 ねこねこ
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わたしは幸せだった。
毎日大好きな数くんの傍にいられて、二人でマモちゃんのお世話して…
本当に結婚してるみたい…
わたしの今の躰では子供が産めない。
手術をして、移植すれば可能性はあるとお医者様は言ってくれた。
でも…いつ移植出来るか判らない。
マモちゃんのお世話は大変だけどお母さんになれたみたいで嬉しい。
フランスに帰る時…わたしマモちゃんと離れられるかな…
マモちゃん…一緒に連れて行きたいって言ったら…
わたし…今度こそ捨てられちゃうな…
数くんはやっぱり…
ただ一緒にお世話してるだけだよね…
本当の子じゃないもん…
「螢、偶には一人で数真を迎えに行ってみるか?」
真古ちゃんがマモちゃんをみてるからと、翔吾くんが言ってくれた。
わたしは一人で数くんの学校へ行く。
わたし一人でも変に思わないかな…
わたしは校門の横で自分がどうしたいのか色々考えたけど、結局答えは出なかった。
「ねぇ、待って話を聞いて」
「お前と話すことは何も無い」
あっ…数くんと…あの娘だ…
二人の声が校門より少し離れた所から聞こえて来る。
「お願い、まだ結婚してないならわたしにもチャンスをちようだい!わたしの何がダメなの?
瀬戸くんの好きに直すから…わたしも見て!」
な…何? 何を言ってるの?
やだっ…わたしの数くんなのに…
「これ以上俺に構うな」
「嫌よ!瀬戸くんがフランスにいっても忘れられなかった!私の方があの子よりずっと良い奥さんになってみせるから!」
ダメ…ダメ…そんな事言わないで…
数くんを惑わせないで…
お願い…数くんを取らないで!
ガタンッ!
「?!」
「螢! お前…」
「か…数くん…」
数くんを取られたくなくて、わたしは思わず立ち上がっていた。
その拍子に車椅子が倒れてしまった。
「あっ…」
「危ないっ!」
よろけて倒れそうになったわたしの躰を数くんが支えてくれた。
「大丈夫か?」
「お…お願い…あの人のところへ行かないで…」
わたしは支えてくれる数くんの胸の中で幾筋も
「当たり前だ…俺がお前とタマモを置いて行くわけないだろ」
数くんがわたしの耳元で答えてくれる。
「俺には螢だけだ!どんな女も俺の気持ちは動かせない。だからお前の気持ちにも答えられない。
俺は螢とタマモを一生護ると決めている」
嬉しかった…
たとえあの娘へ断る為の言い訳でも…
数くんがそんなふうに言ってくれた事が嬉しかった…
一瞬でも立てたことを翔吾くんも真古ちゃんも凄く喜んでくれた。
わたしはリハビリに通って、まだ伝え歩きがやっとだけど少しづつ歩けるようになってきた。
「この分だと年明けには星を観に行けそうだな」
ベッドに入ると数くんが抱きしめてくれて、わたしにそう言ってくれた。
「ありがとう」
このまま時間が止まってしまえばいいのに…
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