第97話 キミがいれば

 稲垣と笹森はあれ以来お互いに相手を避けている。


一度絡まった糸を解くのは時間と忍耐がいる。

辛抱強く少しづつ緩めて解くか…

諦めて片方を切ってしまうか…


俺は…この先どんなにお互いの糸が絡んでも決して真古都の糸を

自分から切ったりはしない


旅行での二人だけの時間

幾度も自分のしるしを刻み付け

彼女を手の中に収めた


この後、卒業まで

彼女はずっと俺の横にいてくれた



後から考えると、この時の俺は真古都を手に入れたことで有頂天になっていた。


苦しいほど愛しい女の子が、自分のことだけを見つめてくれる…

こんなに毎日が幸せな気持ちになれるのを、今まで経験したことが無かったから…


キミがいれば…


俺の中の月は

穏やかな笑顔をいつも向けてくれる


その笑顔の為に

俺は頑張ろうと思える


キミがいれば

俺は迷わず進んでいける



真古都は短大を卒業したら

母親の園芸店を手伝うそうだ


俺も…

専門学校を卒業して

行く行くは親父の様な画廊を開きたい



キミがいれば

俺は大丈夫だ…



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第一章 完

ここまでお読み下さりありがとうございます。


毎日訪問してくださった方

毎回♡で応援してくださった方

感想をくださった方


これ以上の嬉しい励みは有りませんでした。

本当にありがとうございます。


次回から第二章です。

幸せを掴むため

翔吾も、数祈も、真古都も

模索します。


高校を卒業して、ちょっと大人になります。

第二章は三角関係も込み入ってきます。 

純愛のままがよろしければ

第二章はスルーして下さい。

番外編でまたお会いしましょう。


これからも応援頂ければ幸いです。

         ✽✽ねこねこ✽✽





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