8人目 『ヴァージン・テイスト』

 ・作品名:ヴァージン・テイスト

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655700141498

 ・作者:押田桧凪 様

 ご参加ありがとうございます。何度か別の自主企画でお見かけしたことのある方だったので、どんな風に和田島さんを描いてくださったのかなぁとワクワク読みました。

 この作品は周りを楽しませてくれるような嘘をつく女の子、綿貫真が主役の物語です。彼女は別の自主企画『アンチノミー・ガールは嘘をつかない』の設定の女の子であり、ここでは配信者となった和田島イサキさんです。終始、くるくると回るような言葉回しが印象的な語り口なのが楽しかったです。

 ※『アンチノミー・ガールは嘘をつかない』https://kakuyomu.jp/user_events/16817330655353646007


 この和田島さんは、堂々とかつ淡々と自分の道を進む在り方にすごく自信があるように感じられました。芸能人がかっこよく見えるのは、こういった雰囲気にもあるのかもしれないと、ふと考えさせられました。

 ただ、私にとっての和田島さんは自虐的な部分を糧にされている印象が強かったので、とても新鮮にも思えます。それでも、こういう和田島もあり得る気がします。……和田島さんが配信者になったら、愉しそうだなぁ。でも、私はスパチャいっぱい投げちゃうんだろうなぁ。お金なくなっちゃう。


 また、彼女の配信の冒頭ジョークが好きです。この"周りを楽しく"という優しさに、とても"和田島さんらしさ"を感じます。ひとつ前の逢坂さんの感想でも書いた「みんなに楽しんで欲しい」という話を再び思い出しました。

 また、リスナーたちからは周知されたネタということと、「晴れ」っていうのも良いですよね。じんわりと温かさを感じました。

 あと、カフェでライトで照らされたかのように感じさせるシーンも好きです。他にも周囲を照らすように感じられる場面があるのですが、和田島さんの"才能"を暗喩しているようで好きです。


 そして、後半の過去の泥団子のお話。合間合間に描かれる生々しさが和田島さんっぽかったです。「金銭がないからこその関係」だとか、「少女性ではない」とか……。"美しいフィクション"として描かれるのではなく、醜さを隠さない生々しとしてハッキリ描かれているのが好きです。

 そこに、前に述べた「芸能人的」と合わさると、また変わった味わいであります。ただ「人間の感情」としてではなく、「大衆の目に晒される立場の人の感情」として考えさせられて、私は新たな視点を得ることができたように思います。

 私にとって新たな和田島さんの可能性へを考えさせられる作品でもあり、ワクワクさせられました。ご参加ありがとうございました。

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