2人目 『情熱を受け止めてくれる唯一の』
・作品:情熱を受け止めてくれる唯一の
https://kakuyomu.jp/works/16817330656983293491
・作者:惟風 様
惟風さんも交流がある方なので、どんな作品でご参加くださるかワクワクしておりました♪ありがとうございます!
でも、でも。まさか、お二人目でこんな変化球来ると思いませんよ!すごいのが来ちゃいましたよ!やられました、見事に。
"僕"が語るお話です。何故か全裸中年男性と化した父親や、彼をすべて受け止める"理解ある"母親という個性的なキャラ。そして、"百合に挟まる男"に銃火器。和田島さんのお名前がなかなか出てこないまま、どことなく和田島さんを感じる要素が散りばめられた展開に、ワクワクが止まらず、夢中になって読み進めていると、最後の最後になってのご本人登場!
……いや、ご本人そのまま出てくるんかいっ!
私はこういうドンっと最後でひっくり返すようなお話が好きです。その場合、それまでにどの程度の情報を明かすか、どのように伏線を貼るかが肝であると思うのですが、このお話はホントに見事でした。
この作品では主要な登場人物に固有名詞が与えられていません。それなのに、彼らは和田島さんを連想する要素をチラ見せしてきます。
『和田島イサキさん小説大会』に参加されているのに和田島さんがなかなか出てこない……。私はもう『僕』『父』『母』のうちの誰かが和田島さんモデルのキャラクターなのだと思い込んでいました。そこに、最後でしっかり和田島さんが出てくる。
つまり、『和田島イサキさん小説大会』という奇妙な自主企画の参加作品に参加したことが和田島さん登場の伏線となり、和田島さんの姿を探しながら読み進めた読者は、最後の最後に和田島さんと出会うことでカタルシスを迎えるという構成なんですよね!
テクニカルが過ぎませんか?ホントにしてやられた気持ちです。裏をかかれるだけでなく、企画すらも利用されるとは……。心地よい爽やかな敗北感を覚えています。
そして、ラスト数行の和田島さん。こんな短いのにちゃんと和田島さん!もうキラキラして見えました。
多分、それまでに和田島さんを求めていた影響もあると思います。砂漠でオアシスに辿り着いた状況と少し似ているかもしれません。
少し話題は飛んで冒頭。父親が全裸中年男性と化した件は正直「何もわからん」でした。頭が“ハテナ”になり、「一緒に暮らしてたんじゃないの?」「突然、急変したってこと?」とかいろいろ疑問が浮かびました。でも、構わず父親は全裸で汚く泣いていて……。よくわからん導入がよくて、和田島さん作品っぽさも感じました。
ラストの和田島さんも似た印象です。"僕"とは友人ということしかわからず、台詞もない。ただ全裸の"僕"からサブマシンガンを受け取る全裸の人物。
そこには私の知る和田島さんが詰まっていて、すごくワクワクしました。和田島さんならやはり喜んで暴れまわるのだろうか、全裸なら警察に追いかけられたりもするのだろうか、そもそも世界観はどんな感じだったのだろうか……と、想像を掻き立てられます。
冒頭とは逆に惟風さん作品らしさを感じました。
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