参加作品

1人目 『女ふたりぼっち心中恋歌』

 ・作品:女ふたりぼっち心中恋歌

https://kakuyomu.jp/works/16817330656977196459

 ・作者:尾八原ジュージ 様


 ご参加ありがとうございます!一番槍です!

 作者の尾八原さんは和田島さんとはもちろん、私とも交流ある方で速筆なのは存じ上げていたんですが、やっぱりさすが……。こんな企画でもバッチリ決めてくださる。ありがとうございます。


 この作品の和田島さんは和田島イサキさんを文字った『羽多島井わだじまいサキ』ちゃん。自由で気儘な女子大生。名前もキャラクターも別人ながらも和田島さんだとよく分かり、また尾八原さん作品らしさも感じて好きでした。

 何より良いのが語り手のやっちゃん。淡々としつつも、実は人間らしい弱さを秘めたとても尾八原さん作品らしいキャラなのですが、彼女視点でお話が語られることでサキちゃんの魅力がより引き立てられています。

 死後に憧れたり、心中を繰り返したりする女の子って、常識的にはヤバイ子だと思うんです。いくらニコニコしていたとしても。美少女だったとしても。

 でも、私は彼女のヤバさの先に可憐さを感じました。というのも、彼女の行動理由がとても純粋なんです。臨死体験が綺麗でまた見たいから心中するとか、パッと映画に気持ちが移っちゃうところとか。それを前向きに明るくいうものだから、とても可愛らしく思えてしまいます。

 そして、そういう可愛らしさは、やっちゃんが感じていることだからこそ、伝わってくる魅力だと思います。やっちゃんがサキちゃんを大好きでずっと見ていたからこそ……。

つまりは、これはとても素敵な百合小説。彼女が語り手でホントによかったです。


 というか、ふと気づいたんですが、ひょっとしてやっちゃんって尾八原さん自身も混じっていたりします……?

 実は、可愛らしいサキちゃんを静かに見守る彼女の視線に、尾八原さんの和田島さんとの距離感に似たものほんのり感じたのです。また、原チャをぶっ飛ばしちゃう勢いも、ほんのり尾八原さんらしいような……。

 でも、もしそうなら、崖から落としちゃう展開は逆に『和田島さんに長生きして欲しい』という意味にとれました。『希死慮念なんて吹っ飛ばせ』と、いうような。和田島さんの在り方を『応援したい』、『ずっと見ていたい』というような。そんな気持ちが見える気がしました。

 そして、ラスト。日常に戻って、彼女との関係が壊れた後も見守り続けている場面。静かな愛を感じて好きなのですが、やっぱり尾八原さんの和田島さんへの愛だと思います。そうですよね、わかります。和田島さんは気儘な素直な様子が可憐で素敵なんですよね。私もずっと見ていたいです。

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