第16話 風俗店 巻き込まれ編
上司の植草 和馬(うえくさかずま)は俺よりも10歳ほど歳上で愛人が由里子の男だ。
居酒屋で飲んで、散々説教されて、スナックへ。
そこでも説教をされた後、まだ付き合えと半ば強制的に連れてこられた店はアオイさんと由里子が働くラバープレイ専門店。
植草と由里子の繋がりがこの店であった事を俺はこの時初めて知った。
植草は4人でのラバープレイコースを選択し、
当然指名したのは由里子こと源氏名ユズだった。
俺には好きな子を指名してもいいと言われたので俺はアオイさんを指名した。
大きな部屋へ通されて待っているとユズとアオイさんが黒光りするラバースーツに着替え、いつものようにカゴを持ってやって来た。
部屋で俺と植草は指名した相手の前で全裸になると、ドレッシングエイドを塗ってもらいラバースーツに着替えさせてもらう。
もちろん、植草はユズに、俺はアオイさんに。
マスクまで被り黒光りするラバーマネキン姿となった4人でラバーシーツの敷かれたベッドでローションプレイを始める。
植草は酔った勢いもあり、ユズに無茶な要求をし絡み始める。
ユズも俺がいる事やアオイさんの手前、お店のルールで絡めない事を説明しマッサージで気持ちよくさせるだけだと説得していた。
しかし、始めのうちは言葉だけでユズに絡んでいた植草だったが、次第に酒の勢いを借り言葉だけでなく体を絡ませ始めた。
拒んでいたユズだが、植草に押し切られる形で性行為におよぶ。
居場所を追われる形になった俺とアオイさんは、部屋にあるソファーベッドへと移動した。
アオイはいつものカゴからスリーピングバッグを取り出すと、ソファーベッドに広げる。
「すみません、こんなところで」
そう言うアオイさんに俺は返す。
「アオイさんと一緒なら俺はどこでもいいですよ」
俺が先にスリーピングバッグに入り、アオイさんが後からスリーピングバッグに入ってくる。
もちろん、勃起した俺のペニスに挿入する形で。
今日は植草とユズがいるので、アオイさんは控え目な吐息を漏らす。
俺もアオイさんも互いを求めているのでスリーピングバッグの中で植草とユズにはバレないように絡み合う。
できる事なら2人っきりでお互いに体と言葉両方で絡み合うのが理想なのだが。
ベッドの方から話し声が聞こえてくる。
「あの2人なかなかいい感じなんじゃないか?」
俺とアオイさんの関係を知らない2人はそう話をしている。
楽しい時間はあっという間に終わりの時間を迎えた。
帰り際、ユズがアオイさんに掛けた言葉が俺には妙に引っ掛かった。
「あんたもよくやるわね」
なぜ、引っ掛かったのかその時は分からなかった。
お店でのプレイから、しばらくアオイさんには会えずにいる日々が続いたある日、仕事中にアオイさんから連絡が来た。
[今日、会えませんか?]
いきなりだったので、すぐには返事できない俺は家に帰って七海の動向を確認してから連絡しようと思った。
仕事の帰り際にアオイさんからまたメッセージが届いた。
[今日はあなたに本当の事を話そうと思っているんです]
凄く意味深なメッセージ、そしてアオイさんに会いたい気持ちをグッと抑えて返事はせずに家路を急いだ。
家に帰ると当然部屋の灯りは点いていた。
もしかすると、七海が出掛けているのではないかと期待したがそうはならなかった。
アオイさんにどう返事を返そうか考えながら、リビングへと続く扉を開く。
ソファーには着物姿の女性。
来客かと思ったが振り返ったその女性の顔を見て俺は驚きのあまり持っていたカバンを床に落とした。
「最近、あまりに連絡が返ってこなかったので来ちゃいました」
そう言って振り返ったのは紛れもなくアオイさんだった。
俺の家のリビングのソファーにアオイさんが着物姿で座っている。
どういう状況なのか、驚きのあまり言葉も出ない。
そして、さらに驚いたのはアオイさんの目の前にはあの風俗店のラバー人形が縛られ、首から七海と書かれた名札をぶら下げて正座させられていた。
その周りにはラバーらしき黒光りするものが敷き詰められている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます