刻々と変化する状況。

 脳内の思考が一瞬停止すると、今の状況を理解するのが困難だった。そして少しずつ思考が再び 回り始めた。


 え? は、マジ?


 あれが俗に言うモンスターか?


 まるで漫画やアニメやゲームのおとぎ話に出てくるような、ごっつい見た目から凶悪で悪そうな魔物じゃねーか。


 骸骨の騎士なんかベタ過ぎだろ。どう見ても、見た目からヤバいぞ。あの剣で斬られたら、マジ痛そう。てか、あの他の骸骨が持っている尖った槍もやだな。一発で即死するやん。クソマジヤバ過ぎてウンコ漏らす。


見た目から凶悪そうでヤバそうな骸骨の騎士は、持っている剣と槍で次々に人々に襲いかかっては

斬りつけ、串刺しにした。まるで映画のR指定が入った流血グロホラーのようだった。近くで人々が次々にやられながら、俺はポカーンとしたままフリーズし続けた。


街に押し寄せた骸骨の騎士は、イノシシみたいなデカいモンスターの背中に跨りながら、剣と槍を振り回して無双した。そして、奴らは虐殺を楽しんでいた。俺は鼻水を垂らしながら一体この街で今、何が起きているのかを必死で考えた。


 「え~っと、つまり……。この街に張ってある女神像がぶっ壊れて、良くわからんが街に張ってあった結果が解かれたからモンスターが街に押し寄せたって事か?」


 何となく状況を一旦推理すると、『銀行』とか『ケテェちゃんの通帳』どころじゃなくなった。オラオラしながら虐殺無双状態の凶悪モンスターの群れを前に、俺は自分の命の危機を感じた。


 「クソヤバ過ぎる! こっ、こんな所に居たら間違いなく俺もアイツら殺されるじゃねーか! と、とにかく奴らに気づかれる前に此処から早く逃げないと…――!」


そう言ってこの場からトンズラを図った。それも奴らに気づかれないように、息を押し殺し気配を消しての完全なるステルスミッションだった。


 地面に這いつくばって匍匐前進を試みた。そうまるで、メタ○ギアソリッドのスネークになった気分だった。慎重になりながら地ベタを前へと這いつくばって進んだ。それは蛇のようにくねくねと動いた。


 幸いなことに、俺が居る所に瓦礫のオブジェがあった。瓦礫のオブジェがあったことにより、向こうからは視界となって俺の姿が見えなかった。まさにラッキークッキーだ。これなら奴らから、バレずに此処から無事に離脱出来る。


「俺ってば天才。日頃から無駄にゲームやってて良かった。まさかここで、ステルスアクションの知識が役に立つとは…――!」


 そこで自分を自画自賛しながら呟いた。


「へへへッ、このまま上手く物陰に隠れながら逃げきってやるぜ。大金を掴むまでは死んでたまるかってぇの!」


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