夢の終わり。
「ああ、そうだ……! 今大金があるんだから、コンビニでリンゴカードも沢山買えるじゃないか!? やばい、マジで手が震える! この通帳さえあれば色々欲しい物が買えるじゃないか!」
俺は圧倒的に欲望に支配されると、この状況下で理性を失い。自分の欲望に素直になった。
「よっ、よし……! とりあえず銀行は無事だ! 早く金をおろそう!」
夢を膨らまし銀行の扉に手を掛けた。だが、扉はびくともしなかった。何度押しても無駄だった。扉を引っ張っても無駄だったら、思いっきって体当たりしてみた。でも、扉は全然動かなかった。
「くそっ、一体どうなってんだよ!? 何で扉が開かないんだよ!!」
イラついて扉を蹴った。すると、履いてる靴が便所サンダル だったので、足の指を思いっきり痛めた。
『イッテぇ! クソ! 畜生っ!!』
余りの痛さに涙が出た。
「ふざけやがって、俺様を誰だと思ってる!? 勇者アルス様だぞ! 今すぐこの扉を開けろ!」
そこで思いっきり怒鳴ると、扉の隅に張り紙が落ちていたのに気がついた。それを拾うと調べて読んでみた。
「えー何々。『この銀行は只今メンテナンス中です。明日までご利用できません。またのご来店をお待ちしています』だと…――!?」
その瞬間、張り紙を両手で破った。
「クソが! こんな時にメンテナンスなんかしてんじゃねえ!」
俺は近くに会った鉄パイプを手に襲いかかろうとした。
「ふざけんな、この扉を今すぐ開けろぉっ!!」
その瞬間、大きな音が鳴り響いた。それは獣の雄叫びのような大きな声だった。よく見るとモンスターの群れが走って来るのが見えた。骸骨姿の騎士を乗せた獣の群れが、こっちに向かって一直線に走って来ると街中にいた人々が雪崩のように押しかけてあちこちに逃げ惑っていた。街の通りに人々の悲鳴が響く。まさに阿鼻叫喚のパニック状態となった。俺は突然の事に戸惑って、その場で鉄パイプを両手に持って、呆然とフリーズしたまま佇んだ。
「は? うっ、嘘だろ……?」
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