夢の終わり。
「ハァ、ハァ、おっ、恐らく、我々の知らないところで何かが起きて結界が解かれたんだ……! 結界が解かれれば、モンスターや、悪魔どもに見つかる、あ、あるいはもっと最悪なことが起きる……!」
「何だよ、最悪なことって……!?」
そう言って聞き返すと、父親は険しい表情で黙り込んだ。
「オヤジ何か隠してるな……!?」
「ぐふっ、ごほごほ、はぁ、はぁ、あっ、アルス……! かっ、母ちゃんはどこだ……!? 生きてるか……!?」
「ッ……! かっ、母ちゃんは……!」
目の前にいる父親は、今にも死にそうな声で尋ねてきた。俺はグッと手を握ると嘘をついた。
「しっ、心配するな……! 母ちゃんは生きてる、大丈夫だ……!」
「そっ……そうか……無事か…――」
「ああ、だからオヤジもう喋るなよ! でないと血が止まらねぇだろ!?」
泣きながらそう言うと、父親の腹部から流れる血を必死で止めようと無我夢中だった。すると、オヤジはいきなり俺の顔に手を差しのべて触ってきた。
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