夢の終わり。
『オヤジ……!?』
「っ……! ハァ、ハァ、ア、アルスっ……! ぶ、無事か……!?」
「オヤジ、オヤジっ……! バカ、喋るなっ……!!」
父親は血だらけの姿のまま、仰向けになって息を吹き返した。死んだと思ったオヤジが生きていたことに驚くと慌てて駆け寄って声をかけた。
「おっ、俺は無事だ……! でも、オヤジの方が……! ああ、そうだ! 今すぐ誰か助けを呼んでくる! ここで待ってろよ!?」
「父ちゃんは、もう無理だ!」
「なっ、なに言ってるんだよ!? そんなの診てもらわないとわからないだろ……!?」
「この傷じゃ、もう手遅れだ……!」
「っ……!?」
そう言って父親は苦しそうな表情で言ってくると、自分はもう無理だと言ってきた。俺は頭の中が再び混乱すると、その場で感情的になって言い返した。
「バカなこと言うな! 手遅れだとか、そんなこと言うんじゃねーよ! 俺はそんなの絶対に認めな…――!」
その時、不意に目が父親の腹部にいった。腹から大量の血が流れていた。そして、ガラスの破片が腹に鋭く食い込んでいた。どうやらさっきの爆風で腹部を切ったらしい。そこから血がドバドバと溢れて流れていた。
「っつ……!」
俺は無我夢中になると、その辺に落ちていたシーツの布を引きちぎって腹部に当てると両手で血を押さえた。
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