ニート生活終了のお知らせ。

その瞬間、母ちゃんは俺の顔をおもいっきりひっぱたいてきた。俺は殴られると、2人を強く睨んだ。


「今のは虐待か!? 子供に親が手をあげるのは、虐待なんだぞ! 法律にも子供に手をあげるのは虐待だって、ちゃんと書いてあるんだぞ!」


「アルス、お前は何で自分が叩かれたかもわからないのか!?」


「ジジイもババアも嫌いだ! 俺の視界に入ってくるんじゃねー、消え失せろ!」


「アルスあんたって子は……!」


「出てけ! 出てけ! 出てけ! 俺の部屋から出ていけ!」


「こら、やめなさいアルス! そんなもの投げつけて、父ちゃんと母ちゃんに当たったらどうするんだ!」


 俺は怒り狂うと、そのまま感情のままに、手当たり次第にものを投げつけた。そして、机の椅子を両手に持つと、それを2人に向けて投げつけようと威嚇した。



「こ~の~部~屋~か~ら~出~て~い~け~!」




「こら、アルスやめなさい!  お前いい加減に……!」




――その時だった。目映い光が外の窓から差し込むと、次の瞬間にそれは空中で弾けた。そして、一気に周りを包み込み、光の渦は爆風となって街一帯に襲いかかった。それはまさに、今までみた事もないような強い光であり、人生で体験した事もないような悲惨な序章の前触れにしか過ぎなかった。突然、爆風が街を呑み込むと、 もの凄い轟音が鳴り響いた。そして、そこらじゅうにある建物が爆風で吹き飛び、俺の部屋にも爆風が襲いかかった。


 窓ガラスが割れ、空中に飛び散り、部屋の家具もガタガタっと揺れると周りに吹き飛んだ。そして、そのガラスの破片が砕け散って飛ぶと窓付近にいた母親はガラスのシャワーを浴びた。


その光景は俺の目に強烈に焼き付いた。そして、ストップモーションのようにすべてが見えると、全身が血だらけになった母親が見え、そして、俺の視界に父親が突進してきた姿が見えた。おもいっきりタックルされると次の瞬間に床に頭をぶつけてそのまま意識が飛んだ。


――どれくらいの間かわからんが、一瞬、自分の意識が飛んだ。そして、暗闇の中で目覚めると、視界に飛び込んできたのは戦場のような悲惨な光景だった。

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