ニート生活終了のお知らせ。

「たっ、たっ、たっ、叩いたな……!?  親父にも殴られたことないのに殴ったな!?」


「やかましい! ああ、そうだ! はじめて殴った! それがどうした!?」


「チッ、このネタ元がわからないとは、やっぱりジジイは単なる堅物でしかないな!?」


「我ながらに呆れる! 自分の息子が二十歳過ぎてもニートだの、父ちゃんは実に情けない! お前はいい加減目を覚ますべきだ!」



「余計なお世話なんだよ! 俺みたいな引きこもりニートなんか相手にしてる暇あるならさっさと外で働けに行けよ!」


「アルス!  父ちゃんはお前のことを思って言ってやってるのになんだその言い草は!!」



「俺のためだって……!? 恩着せがましこと抜かしてるんじゃねーよ! あんたにとって俺は恥ずかしい息子でしかない癖に、当て付けがましいんだよ!!」



 そう言ってカッとなると、部屋にあった物を親父に向かって投げつけた。投げてる途中で間違えて、俺の好きなアニメフィギュアのファミーちゃん(限定メイドバージョン)を投げた。案の定、親父は俺が投げつけたフィギュアを避けやがった。そして、ふぁみーちゃんはそのまま壁にぶつかて、そこでバラバラに弾け飛んだ。まるで死体現場のごとく、バラバラになったパーツがあちらこちらの床に転がった。



『あーっ!! 俺の嫁が~っ!! ふぁみーっ!!』


「気でも違った!? こんな人形を嫁だと言って、二次元オタに染まりおって、お前はそんなに現実逃避がしたいのか!?」


『うるせぇよ! よくも、よくも俺の嫁を……! ふぁみーを! 許さねー、お前の血は何色だ!?』


 俺は怒り狂いながら、床にバラバラになったフィギュアのパーツを泣きながら集めた。すると、今度は母親が部屋に踏み込んできた。


 



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