ニート生活終了のお知らせ。

 雑談板で同じみのメンバー2人と、無駄にバカみたいな会話して、左手でポテチを摘まみながら、右手でキーボードの文字を打っていた。俺はこいつらのことは、よくわからないし、知らない。相手も俺が何者で、誰かもわからない。ネットの世界では、現実なんて只の無意味だ。


 まあ、唯一共通点があるとしたら、そのネットの世界で俺達はひとつに繋がっている。どこにいようが、何してようが、相手が誰かもわからないけれども、確かにひとつに繋がっていた。


 同じ境遇の接点では、ニートで同類ってことだ。そんなこともネットのあいつらとは、自分は無職でニートだと堂々と言える。現実の世界で、自分がニートだとか言える奴は、そう少ないし、寧ろニートで恥ずかしいとか、口に出して言う勇気もないだろうな。言えばバカにされるのはわかってる。ニートほど普通の奴等からにすればクズ扱いでしかない――。



 キーボードで文字を打ちながら、画面の向こう側の2人にさりげなく聞いてみた。「お前達の名前、聞いてもいいか? あと、俺と同い年?」そう言って書き込んでる途中で、パソコンの電源が突如落ちた。



「はっ?? なんでいきなり?? あれ?」


 突然のことに驚くと、椅子から立ち上がってパソコンの電源を再び入れた。しかし、いくらボタンを指で押しても反応がない。



「はっ? 壊れた??  はっ? マジか?? 嘘だろ……!?」



 パソコンの電源がなかなか入らなく、その場で焦っていると後ろから突如、大声で雷が落ちてきた。



『アルス! お前いい加減にしろーっ!!』


「はっ!? 何だよジジイ!? ってか、勝手に人の聖域へやに入ってくるんじゃねーよ!!」


『お前、親に向かってなんだその態度は!?』


「あーっ!! っテメェ、勝手にパソコンの電源抜きやがったな!?」


『うるさい! それより人の話を聞け!』


 後ろを振り向くと案の定、親父がパソコンの電源を抜いてやがった。手にはコンセントが握り締められていた。俺はそこで逆上すると、物凄い剣幕で言い返した。


「ふざけんなよ糞ジジイ! 勝手にパソコンの電源抜きやがって、壊れたらどうしてくれるんだ! 今すぐ手に持っているコンセントを床に置け!」


『誰が糞ジジイだ! お前こそいい加減にしろ! 今何歳だと思ってる!? 二十歳にもなって家でゴロゴロと、ニットだか、ニートだか知らんが、ふざけるのも大概にしろ! お前の兄さん姉さんは、社会人になって既に働いているのに、お前は毎日、食っちゃね、ゴロゴロ、パソコン三昧だの、お前はこのまま引きこもりニートで人生を終わらす気か!?』


「うるせぇ! 俺のニート人生、口出しするんじゃねーよ! 俺はな、このままニート人生を好き勝手に謳歌してやる! わかったなら人の部屋から出て行け糞ジジイ!」


「アルスお前って奴は……!!」


 その瞬間、いきなり親父が鬼の形相で俺の顔をおもいっきりひっぱたいてきた。おもいっきりぶん殴られたから、そのままよろけて床に派手に倒れた。


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