第80話 三善結生子(大学院学生)[5]
「
この日記って残ってないかなぁ。
だめだよなぁ。
残ってたら、『市史』が収録しているか、
せめて、この「久竹」って店がいまも残っているかどうか、調べてみるんだな。
夏休み中にやるのかな……。
まあ、ほかに夏休みにやることもないし、自分の研究対象なんだから、それぐらいやらないと。
「
この悪家老がよく女を連れて出歩いていたのは事実で、当時の岡平の商家の日記「
でも、行稚という若い藩主の領内巡視に同行したときまで、自分の妾を連れていたかどうか。
次の記事は長い。一つ深呼吸して心の準備をし、取りかかる。
「
孝原は山のほうの地名だったと思う。
「私の村は相良家の
これは、詳しいだけでなく、伝承の経路がはっきりしている。
で、
このことばは、結生子が学部生のころ、「楽しいほうの英語」と呼んでいた英語の授業で、英語の政治ニュースのようなものをずっと読んでいたので、そこで覚えた。
先ほどの「たいそう太った女」というのが、この「あらの」という女なのだろうか。
讃州易矩が人当たりがよかったとか、聡明な女が好きだったとかいう話は、「葛屋今左衛門日記」にも別の商家の日記にも出てくるし、「
しかし、その妾のところで内々の政治の議論をしていたとか、聡明な妾の聡明な
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