第78話 三善結生子(大学院学生)[3]
少し、読み飛ばそうか。そう思った次の項目が
「
だった。
いきなりその話題に戻る。
何それ?
「
最近の映画とかじゃあるまいし……。
「岡下の織物商
寛永……?
それは江戸時代初期で、ずいぶん時間が飛ぶ。
まあいい。
「これについて永遠寺の住職にたずねた。住職は言った。わからない。わが寺に、過去、浄土院、真浄土院などという
「永遠寺の住職は
いや、これは何だろう……?
当事者の永遠寺がここまできっぱり否定するのだから、たしかにそんな塔頭は存在しなかったのかも知れない。でも……。
徹底的否定と言えば。
「ねえ、
「知らないよ。わたし食べてないよ。ぜったい食べてないよ! ほんとだよ!」
小学生や中学生のとき、そういうできごとがあった。
何度もあった。
もちろん、そのどら焼きは、
そして、食べておいて、徹底的に否定するのだ。
幸織か……。
あの猫の
まあ、いいけどね。
幸織にも、一度、ちゃんと会っておこうか。
いや。
幸織はそれでいい。
でもいまのこっちのはあんまりよくない。
この永遠寺の住職、ここまでしつこく否定するということは、やっぱり何か隠しているのではないか?
その疑いはまたぼんやりと頭に置いておいて、先を読む。
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