第67話 三善結生子(大学院学生)[3]
「
おお。
甲峰といえばうちのご近所じゃん。
高校生のときまでの、だけど。
「お夏は
こんな話をしたのは甲峰のどこの家だろう?
ここから、後に暗殺される
でも、この章にはその話は出ていないようだ。
「滑川地出身の女は岡平の町には多かった。
だれの発言か書いていない。でも、まあ、これはあり得ると思う。
「滑川地の古老が言った。乱行で有名な行喬公の妻が滑川地の出身だというが、そんな話は村ではきいたことがない。いったい、この狭い村のどの家の出身だというのだろう。村を一軒ずつまわって確かめてほしい」
なるほど。
で、確かめたのだろうか。
「岡平出身で東京で新聞記者をしている某氏が言った。私のきいたところだと、夏姫はたしかに行喬の正妻であったが、行喬の奇行が目に余るようになって離縁を求める心を起こし、行喬の江戸での
「きいたところ」ってどこできいたんだよ?
「中学校で教える某氏が言った」
このころの中学校というといまの高校ぐらいのステイタスだろうか。
「
これは、その新聞記者の話があやしいので、「裏」をとったのだろうか。
「
そうだそうだ。
滑川地と唐子の共通点はこれだ。讃州易矩が新しい住民を移住させたにもかかわらず、旧住民を追い出さず、旧住民と新住民が混ざって、その区別がなくなったということだ。
滑川地は行喬の正妻の出身地だったからという。
では唐子はどうなのだろう?
この書きかただとやはり夏姫が懇願したからということになるが、唐子と夏姫の縁というのはわからない。
それとも、やはりあの讃州易矩に近い有力者がだれか唐子の味方をしたのだろうか?
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