第3話

しまったと紗栄子は笑顔を作り「うううん起こってないわよ、それでお父さんとはどんな話をするの」そう言いながら7回の朝帰りと全部一致していることにホッとし、浮気じゃなかったんだとホッとしていると、お母さんの顔色をうかがっていた三人は”怒ってないわよ“の返事にホッとして喋ってはいけない約束に気を付けながら、子供達は昨晩まで話してくれたお父さんの口癖を真似しながら言う。

カナが「お父さんがね、”今日停めてくれっ“てベットに入ってきたの」

ユナが「ユナがね又、お母さんと喧嘩したのって聞いたの」

マナが「お父さんが言うには、”お母さん今日も機嫌が悪くて鬼に変身したんだぞ。“だっていうから鬼になったのって聞いたの。」

カナが「お父さんが言うには、”お母さんが鬼に変身すると、頭から角が生えてきて“」と言いながら三人共、お父さんがやっていた仕草を真似して頭に左右の手の人差し指で角の形を真似し、

ユナが「お母さんの口から牙がニョキニョキ生えてきて」と言いながら三人共、口の上あごから生えてきているかのように左右の人差し指二本で牙を表現してマナが「お母さん、口から炎を吐くんだぞー」と言いながら三人共、口を大きく開けて左手の手のヒラを口に近づけて口の前で何かが出ているかのように口の前で”ゴ〜“と出ている炎を表現して手のひらを開き、勢いよく前に出したり口に近づけたりを繰り返している。

カナが「お母さんは鬼なのーって聞いたら、“鬼に変身するんだぞ、だからお母さんを絶対に怒らせちゃだめだからねー”」

マナが「だから、私達嘘だと分かったから笑って聞いていたの」

カナが「そしたら、お父さん頭のタンコブを見せてこういったの、“お母さん鬼に変身すると何でもかんでも投げてくるんだぞー。側にあったアルミの灰皿の軽いやつなんだけど、それを思いっきり投げてきてお父さんの頭に当たってタンコブができたんだぞー、ほらー、これ見てみ大きなタンコブだろ、しかも灰皿の中の吸い殻も被るし散々な目にあったよ、アーイテテテ”だって」

それを聞いて又イライラきた紗栄子であった。(アンニャロー私の子供達に何ふざけたことを吹き込んでいるんだ。嘘を大袈裟に拭きやがって許さないんだから)笑顔が消えて顔が険しくなって苛立っているものだから

マナが泣きそうな声で「お母さん起こっている。やだよお父さんイジメちゃ仲良くしてね」他の二人も泣き顔になっている。

しまったーと思った紗栄子は「ううん、違うの怒ってなんかないのよ、お父さんと仲良いんだから」と繕いながら少しは仲良くやって行こうと心の隅で思ったのである。何時もは死んだ目で元気もなく話すこともなくベットで横たわっているだけの子達なのに今は、ベットの上にチョコンと座り我先に喋ろうとしている子供達を見ると素直に嬉しかった。

少し話をすり替えたかった紗栄子が「この大きなベットから3回も下に落ちたんだお父さん。」ベットはシングルベッドを2つを合わせた大きさになっているので結構大きい(このベットから3回も落ちたなんてザマーミロ天罰じゃ)と思っていると

ユナが「3回目に落ちたとき私達三人共起きていたの、又落ちるんじゃないかなって心配していたら、やっぱり落ちちゃったの”ドン“って大きな音もしたから心配してたの」

ユナが続けて言う「それで起こしてもまた落ちて怪我するから、風を引かないように私達の布団を掛けてあげたの」

カナが「看護婦さんが朝見回りに来たときに私達がベットの上で寒くて抱き合って震えていたのを見られてお父さん看護婦さんに怒られながら起こされたの」

マナが看護婦さんを真似て言う「“何やってんですか、病気の子供に寒い思いをさせて、帰ってください”って言われて帰らせられたの。”看護婦さんがもう子供みたいな人ね、まったくもー“ってお父さんに言っていたの。」それを聞いた紗栄子は腹を抱えてクスクス笑ったのだった。

もうどれくらい笑っていなかっただろう。この子達を産んでからは本当に笑った記憶が全く無かった。

マナが止めの一発を入れる。「ほんとにモー3回もベットから落ちるなんて、お父さん子供みたい」

それを聞いた紗栄子は更に腹を抱えて大爆笑したのだった“あっはっはははははは、キャはははははは、はーはーはー”まだねんねの赤ちゃんみたいの子供に子供みたいって、言われるなんて、お腹が痛くなるほど笑ったのである。(そうよ、今までもあの人を見てきたけど、子供ぽい所が沢山あったわ、大人と思うからイラ立つんだわ、子供と思えばいいのよ大きな子供と)

マナはお母さんの笑いのツボを捕らえたのか、確信したのかのように「お父さん、子供みたい」を連発して紗栄子を笑わせるのだった。

カナが「お父さん起こされたときに腰に手をあてて”イテテテテ“って痛そうにしていたの」

ユナとマナが立ち上がって、お父さんが背中を丸めて腰に手を当てて痛がる真似をしている。

ユナが「お父さん腰を痛がっていたけど大丈夫だった」

「うん、腰に湿布を貼っていたから今日一日静かにしていれば明日には治っているわよ」

マナが「本当に心配したんだから、私達」

クスッと笑った紗栄子が「いつもはどんな話をしているの」

カナ、ユナ、マナ3人は昨晩のことを思い出していた。お父さんと約束した喋っていい事といけない事があるためだ。お父さんに3人が病気でゴメンと謝った事やお父さんに心のそこから愛しているとチューされたことをキャッキャ楽しそうに言うのだった。カナ、ユナ、マナ3人はお父さんが言ったことを言う「神様は乗り越えられない試練は与えないそうだぞ、お父さんはな、お前達3人をお父さんのところに寄越してくれて感謝しているんだぞ。ありがとう神様とな、なぜお前達がお父さんのところへ来たのか考えたんだ。きっと神様はお父さんにお前達3人の病気を治しなさいってヨコしたと思うからお父さんが絶対に、ゼッータイに治してやる。だからお前達もゼッタイにゼッータイに病気に負けんじゃないぞ、諦めるんじゃねーぞ」と力強く言うから

カナ、ユナ、マナ3人も「「「うん、ゼツタイにゼツータイに病気に負けない、諦めない」」」ってお父さんに言ったの。

紗栄子は嬉し涙を流しながら「そうよ、絶対に絶対に病気に負けてはいけないんだからね、諦めてはいけないんだからね」と言うのであった。

カナが「お父さんがね、将来大きくなったら何になりたいか聞くのね、私達何にも考えて無かったし、いつ死ぬか分からないから、分からないって言ったの」

ユナが「お父さんがね、だめだぞ神様は人にだけ考える力を与えたんだ。希望や夢や目標を持つことを人にだけ許したんだぞ、なんにも考えてないとそこら辺にいる野良犬や野良猫と同じになってしまうぞ」

マナが「お父さんが、じゃお父さんとお母さんの仕事の手伝いをしてくれないかていうの。当面の目標にして勉強するんだ。本当に成りたいことが見つかったならそれを目指せばいいからな。それまでの勉強は絶対に後々の人生に役立つから無駄にはならないからな。って言ったの」

カナが「カナ達3人がお父さんにどんな仕事をしているのか聞いたら、コンピュータを使って投資のお仕事をしているんだって。それでねお前達がコンピュータ技師やプログラマーや修理やセッティング等の技術を取って持って欲しいなって思うんだ。そうすれば一生お前たちはお父さん、お母さんと一緒に要られるんだからて言うの」

ユナが「だからね、お父さんに私達”コンピュータ技師に““プログラマーに”“修理屋さんに”なるって言ったの、そしたらお父さんがねお前達ならきっとなれる。何せお父さんとお母さんの子供だからきっと成れるとお父さんは信じているよだって。キャハハハ」

マナが「だからお母さんにお願いがあるの、私達に

勉強を教えてほしいの」

それを聞いているうちに又紗栄子の目から涙が止めどなく出てくる。何にも考えて無いと思っていたお父さんがこの子達に夢と希望と生きる勇気·元気を与えてくれた。もちろん嬉し涙であるが

カナが心配そうな顔で「お母さんどうしたの、なんで泣くの何か変なこと私達言った。」

「うううん、違うのあまりにも嬉しくてつい、涙が出ちゃっただけなの、あなた達の勉強はお母さんが責任を持って教えてあげるわ。」

カナ、ユナ、マナが同時に「「「うん、お母さんありがとう」」」

「取り敢えず勉強は明日から教えるわね、今日は参考書とかお母さんが用意しておくね。お父さんベットでは静かに寝てた?。」

カナが「カナの隣にお父さん寝ていたんだけど、お父さんイビキが物凄いの」するとユナとマナが隣でお父さんのイビキの真似をする『ゴォー』『ガァー』と顔を真っ赤にしながら出せるだけの声を身体中から絞り出してるかのようである。

ユナが「お父さん息を吸うときにガァーとなって息を吐くときにゴォーてなるの。私達ウルサイから指を耳の中に入れて我慢して寝たの。」

マナが「大きくなったらお父さんのお嫁さんになりたかったけど、私には無理ね」

カナが「私も無理」

ユナが「私にも無理だからお母さんにあげるね。」

「キャハハハ、無理よーお母さんも無理よ(本当はお父さんとお母さんは結婚してるんだけどね)お父さんとは別々に寝ているんだからね。」お父さんは夜遅くまでコンピュータを操作して明け方近くソファーでいつも寝るのが習慣となっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る