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俺は目を覚ました。そこは霧島が俺を覗き込んでいた。
「おい、目を覚ましたぞ」と霧島が云うと、松浦、高橋、水川が俺の元に集まってきた。
俺は上体を上げた。ソファーに横になっていたようだ。
「もう、みんな心配したんだから」と松浦が言った。
「そうだぜ、一生意識が戻らないかと思っていた」と霧島。
「大丈夫ですか?桐谷さん?」と高橋。
「どうやら大丈夫そうね。よかった」と水川は微笑んだ。
俺は頭の中にモヤがかかったみたいにくらくらしていた。
「もう、外はすごい騒ぎだぜ」と霧島がいった。「まるでテロ事件でも起こったかのように報道されているよ」
「そうね。後始末が大変よ。その分頑張って」と松浦。
「桐谷くん。ごめん。君の気持ちも考えずに」と高橋。
「なんで、僕は生きているんですか?」と俺は云った。
「私があなたを殺すわけないでしょ?私器用だから人の意識を飛ばすなんて簡単なのよ」と水谷が云った。
「みなさん。すみません」
「いいさ、君は運が悪かったんだ」と高橋が云った。
「これからは、1人で抱え込まないでいつでも相談してくれよな」と霧島
「そうそう、それがいい今までの事は全部忘れてまた一緒に狩に行きましょう」と松浦。
「なんで、みんな、僕が迷惑かけたのに許してくれるんですか?」
「誰でも失敗はある。特に若い子にはね」と高橋が云った。
「高橋さん。本当にすみません」
「いいんだよ。気にしないで」
「さて、次の獲物を見つけなきゃね。あなたのせいで警察が日本中警備を強化してるわ」と笑いながら水川は云った。すると水川は手を差し伸べてきた.。「どうする?自分1人で頑張る?それとも、みんなと一緒にいる?」
俺は彼女の差し伸べた手を握った。
完
喰らう者たち 駄伝 平 @ian_curtis_mayfield
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