喰らう者たち

３７

　練馬の獲物は最も簡単にかたがついた。誰も怪我をせずにスムーズに食事をして事を終わらせた。

　水川が高橋と付き合っていると分かった瞬間から２人の行動を本当は見たくないが、集中して見るようになっていた。

　高橋と水川はとても楽しそうに話していた。水川は特に、絵に描いたような恋する少女といった感じの表情を浮かべていた。

　それを見るたびに、俺は悲しい気分になったが、そのうちに怒りが湧いてきた。２人は隠し事などないようにいかにも恋人同士として、駅でも振る舞っていた。少しは俺に気を遣えと思ったがきっとそんな事、相手からしたらどうでもいいことだと思うはずだ。

　俺は、だんだんと駅へ行くのが嫌になっていった。言っても２人のイチャイチャするところを見る羽目になるからだ。もう、限界かもしれない。