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外は10月の夜にふさわしい涼しさだった。M65フィールドジャケットを着ていて、ちょうどでちょうどよかった。

 俺は自転車に乗って家へ向かっていた。さっきの生のカルビの美味しさが忘れられないでいた。なぜあんなに美味しかったのだろうか。不思議でならなかった。そして、もう一度生で肉が食べたいと思った。その事で頭がいっぱいになった。ついに狂ってしまったのか?きっと、イジメによるストレスが原因に違いない。そう思う事にした。

 家に着くと、母と菅はいなかった。2人でご飯でも食べに行ったのだろう。

 俺は、コーラが飲みたくなって冷蔵庫を開けた。コーラを取ったその時、チルド室にビニール袋に包まれたミンチの生肉があるのに気づいた。急に食べたい衝動に駆られた。チルド室を開けてビニールを外して、ひとつまみ取り出し口の中へ入れた。とても口の中に生肉の甘みが広がりとても美味しかった。そのまま止まらずに生肉を食べ続けた。気がつくとあっという間に生肉なくなっていた。

 どういうことだろう。何が体に起こっているのか分からなかった。きっと、ストレスのせいだ。相に違いない。そうでなければ説明がつかない。それとも何かの病気かもしれない。

 部屋に行きMacBookAirを開いた。Chromeを起動して「生肉」「食べたい」「病気」とワードを入れて検索した。すると、依存症の可能性があると出てきた。きっと、イジメこと、この前に来た刑事が事件の話をしてトラウマがフラッシュバックしたのが原因だろ。自分が思っていたよりストレスがかかったに違いない。きっとそうだ。

 今度、原田先生に会ったときに相談しよう。それが良い。だが、生肉が食べたいなど言えるだろうか?

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