第7話 事故? 事件?

***7***


 どさっと背後で音がした。

 ん? なんだ、こんどはゴミでも落としたのか? エレベーターがないもんね、一階まで持っていくより落とした方が早い……って! 今日はこの辺、ゴミの日だっけか。こんな時間ではゴミ集積車は来ないんじゃないの? 

 一応、ふり返るとそこには若い女の足が、夾竹桃の植わった花壇に生えていた。

「!」

 私は声もなく逃げかえり、さっそく由美に知らせた。

「どうして一一九番しないの! あなた、スマホ持ってるでしょう」

 そうは言うけど、死んでたらどうするの、こわい!

「第一発見者が一番に疑われるじゃない、いやよそんなの」

「それは殺人事件。飛び降りだったら自殺じゃない」

 そうだけど! そんなの見ちゃった私の身にもなってよ。

「どうだったの? まだ動いていた? 息はしてた?」

「そんなの確認する勇気はない!」

 もう、私、泣きそうだよ! 由美ぃ。

「そうだよね。ホワミーだもんね……スマホかして」

「え? 一一九番するの?」

「現場の画像、撮っておくの」

 いやーっ!

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