第6話 不審な庭先

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 スマホで南側の夾竹桃と、ベラドンナ、東側のジギタリスを撮ろうとした。けど、夾竹桃は常緑樹だからまだしも、ジギタリスは無造作に生えてて雑草とどう違うのか一見、見分けがつかなかった。……これ、わかっちゃうとマズイ気がするな。花が咲いてないから、素人には見分けがつかないんだ。

 由美とつきあってると普通がなんだかわからない。困ったものよ。

 でもまあ、私は今薬草研究会の助手という立場と言ってあるので奇異ではないだろう。私はただのマニアックな趣味の人ですよーと。

 ん? なにか降ってきた。雨?

 南側の窓からなにか液状のものが降ってきたけど、ヤバいやつかな? 見上げると、ガラス窓がぴしゃっと閉まった。ふむ。

 この態度なら、塩酸とか硫酸とかいうわけじゃないんだろう。異臭もしない。水っぽいなにかだ。

 問題は誰がどうして窓からそれを降らせたかだ。気になるなあ。

 とにかく由美のところへ帰ろう。

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