第6話 不審な庭先
***6***
スマホで南側の夾竹桃と、ベラドンナ、東側のジギタリスを撮ろうとした。けど、夾竹桃は常緑樹だからまだしも、ジギタリスは無造作に生えてて雑草とどう違うのか一見、見分けがつかなかった。……これ、わかっちゃうとマズイ気がするな。花が咲いてないから、素人には見分けがつかないんだ。
由美とつきあってると普通がなんだかわからない。困ったものよ。
でもまあ、私は今薬草研究会の助手という立場と言ってあるので奇異ではないだろう。私はただのマニアックな趣味の人ですよーと。
ん? なにか降ってきた。雨?
南側の窓からなにか液状のものが降ってきたけど、ヤバいやつかな? 見上げると、ガラス窓がぴしゃっと閉まった。ふむ。
この態度なら、塩酸とか硫酸とかいうわけじゃないんだろう。異臭もしない。水っぽいなにかだ。
問題は誰がどうして窓からそれを降らせたかだ。気になるなあ。
とにかく由美のところへ帰ろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます