お嬢様達の実力行使
「敵襲!?」
日菜子は、その言葉に驚きを隠せなかった。
「白銀寮が襲撃される。そういうのですか?」
「そうです」
白銀を背負ったままの水瀬は歩きながら答えた。
「目的は不明ですが、妖魔が移動を開始したとすれば、攻撃対象は一つしかありません」
「何故もっと早く言わないんですか!」
「殿下のお怒りはごもっともですが、寮にはメイドがおります」
栗須は言った。
「百戦錬磨のメイド達ならなんとかなるでしょう」
「……水瀬」
「はい?」
「あの猫が絡んでいるのですか?」
「上条先輩を猫と呼ぶのでしたら、むしろ寮から離れる動きを見せていますから無関係と思われます」
「では、襲撃の首謀者はシスター・マリア?」
「そうでしょうね」
「理由は?」
「最も考えられる目的は生徒達の吸血鬼化ですか」
「おいおい」クリスが青くなりながら口を挟んできた。
「気楽に言ってくれるなよ」
「重く言っても同じですよ。敵の目的がはっきりしないから、推測の域は出ませんけど」
「潰してしまえば同じだ」イーリスは言った。
「敵は潰す。それだけだ」
「まぁ……そうなんですけど」
「煮え切らないな」
「吸血鬼化した生徒達が混じっていると、随分厄介なことになるんじゃないかな。と」
「メイド達の吸血鬼化した生徒への対応は?」
「悪即斬……斬というより射殺―――です。この前、実際に発砲しています」
「ヴァチカン並みだな。……逃げることを祈ってやろうか」
「敵にとっても吸血鬼は貴重な戦力です。ですから、妖魔と行動を共にさせて無駄に消耗させるつもりはないとも考えられますが」
水瀬は天井を仰ぎ見た。
「全ては、敵の出方次第ですね」
広大な芝生地帯に掘られた溝を塹壕にしたメイド達の布陣は既に完了していた。
後方の陣地ではPanzerwerfer42やフンメルを中核に支援体制が整っているはずだ。
ロケット砲と自走砲による一斉砲撃により、敵を線や点ではなく面で叩く。
妖魔相手の必須にして唯一の戦法。
その撃ち漏らしを叩くのが仕事だ。
そのために、塹壕に潜む多くのメイド達の手にはMP44が握られているし、MP40を手にしているのは、分隊指揮官。
いざというときの頼みの綱であるMG-42装備の機関銃班も射撃準備に入っており、一部のメイドはパンツァーファウストや手榴弾を持ってかけずり回っている。
頼もしきメイド達を塹壕から塹壕へと体を低くしながら見回った中隊指揮官は、中隊司令部と定めた塹壕へ入った途端、ため息をついた。
長い髪にメガネ。部下を率いるメイドらしく、気品ある顔立ちが、やけに疲れて見える。
A中隊中隊長、室町時子(むろまち・ときこ)中尉だ。
「どうなさったのですか?お加減でも?」
中隊参謀である加藤由美子少尉が、駆け寄って来るなり時子の耳元へ小声でささやいた。
「衛生兵を呼びますか?」
「違う」
「では?」
「やはり最新のヤツは気に入らない」
「はい?」
「さっき、隣のC中隊の連中の装備見たが―――なんだあいつら」
「……ああ。そういえば、新型自動小銃、配備されたんですよね」
「参謀は見たか?あのゴテゴテしたアニメっぽいデザイン」
時子は、背筋が寒くなるといわんばかりに身震いしながらいった。
「悪趣味だ。あんなのはアニメオタクとかいう汚物共に丁度良い。我ら光輝あるメイドが持つものではない。重機関銃中隊のガドリング砲ですら気に入らないというのに」
「C中隊の氷室中尉、新しモノ好きですからねぇ」
「尻軽女らしい悪趣味だ。そうだろう?」
「はい。中隊長」
上官が黒といえば白でも黒。それはメイドの世界でも一緒だ。
「……我がA中隊も外見こそクラシックですけど、中身は」
「仕方ないだろう?対妖魔特殊加工弾発射可能に改造しなければ、配備させないというんだから」
「で、生徒さんの中でも兵器メーカーの娘を籠絡させて……中隊長も悪ですね」
「人を悪代官みたいにいうなっ!武器はドイツだ!B中隊のようにイギリス趣味ではメイドが可哀想だ」
「あら?B中隊もMP5主体へ切り替えましたよ?知りませんでした?」
「中隊長は藤崎中尉か?」
「ええ。中隊長が毛嫌いしていた」
「いや。あいつはいいヤツだ。これでザウアークラウトが食えたら結婚してやる」
参謀が口を開きかけた所へ、通信兵が声を上げた。
「中隊長!斥候から通信。敵、距離450まで接近!」
「本部へ通達。総員戦闘準備!斥候を戻せ!参謀、照明弾用意っ!」
叫びつつ、時子は立ち上がった。
「砲撃支援が来るぞっ!各員備えっ!」
ズンッ!
鈍い音が連続して響くと同時に、床が揺れた。
頭上からはパラパラと埃や漆喰の破片が落ちてくる。
「はじまったか」
「妖魔は地上に出たようですね」
「とにかく急ごう」
「はい」
言い合う水瀬とイーリスを後目に、日菜子は栗須に声をかけた。
「栗須」
「はい?」
「通信機を―――司令部を呼び出しなさい」
クレイモアが爆発し、混乱した敵へ砲撃の雨が降る。
ここまでは手はず通りだ。
鼓膜がどうにかなったんじゃないかと思うほどの爆発音ももう聞こえてこない。
振動が止んだ所を見ると、砲撃支援は終了したらしい。
敵への損害は、確かめていないからわからない。
塹壕の外へ頭を出そうとする時子のエプロンを、誰かが掴んで引っ張った。
通信兵のメイドだった。
「中隊長!司令部から通信です!」
「貸せ―――A中隊長室町中尉……はっ!?はいっ!」
その途端―――
不意に辺りから射撃が始まった。
射程に入った敵を歓迎し、MG-42が電気ノコギリの咆哮をあげ、MPが殺戮の歓喜を歌い上げる。
鋼鉄と炎の宴の始まりだ。
「A中隊、接敵!」
司令部要員の報告を受けなくても、音でわかる。
メイド隊を率いる太田少佐は、戦況モニターを見つめながら隣に立つ生徒達に敬礼しつつ言った。
「日頃からの新和重工のご協力、感謝いたします」
「先ほどの砲撃で、どの程度、戦力が裂けましたか?」
相手の生徒は、何でもないという顔で太田に訊ねた。
その周囲にいる生徒の数が先ほどより増えている。
生徒達にとって、戦争がお祭りなことは否定しない。
戦争を見せ物にするのはどうかと思うが、戦闘指揮に口を出さないのがエチケットと心得ている生徒達ばかりなので、太田もあえて何も言わない。
「およそ2割と推定されます。先頭部隊にはかなりの打撃になったかと」
「155ミリでしたっけ?」
「はい。カエサルシステムは秀逸です。あの機動性にはメイド達も感謝しております」
「メイドさん達、砲のお掃除、大変そうですけど?自動クリーニングマシン、寄贈いたしましょうか?」
「感謝いたします。……まぁ、それまでは何事も経験です……さて。南雲様?お父上の方は?」
太田は、戦況モニターを見る生徒の中の一人に声をかけた。
「第一艦隊司令部と話がついたようです。砲撃はあと少し……あらやだ。もう発射されたのですか?……弾着は?あと1分です」
「各メイドへ通達!艦砲支援が後45秒で到達!備えろっ!」
その瞬間、時子は音が聞こえなかった。
ただ、空気にはり倒されたとしかいいようがなかった。
凄まじい衝撃波が塹壕の上にあった全てを薙ぎ払っていった。
目の前100メートルほどにまで展開していた妖魔達は今や跡形もない。
ただ、続々と妖魔達がこちらに押し寄せていることだけは確かだ。
メイド達も負けじと射撃を繰り返す。
時子がマガジンポーチに手をかけると、通信兵がメガホン片手に叫んだ。
「艦砲射撃!弾着まであと15秒!」
メイド達は射撃を中断して一斉に塹壕へ潜った。
そして―――
直下型地震に襲われたかと思うほどの振動が司令部を揺るがせた。
「さすが、帝国海軍旗艦の艦砲は破壊力が違う」
「52センチですよね?」
「ええ。第二斉射―――そろそろ弾着ですわ」
「では南雲さん?海軍ばかりに活躍していただいては、陸軍も納得出来ません。次は私が」
「あら阿南さん。陸軍も?」
「はい。おじいさまの、陸軍大臣の命令で発射された大陸間弾道弾がそろそろ」
「メイド隊へ通達!許可があるまで塹壕に潜め!」
「あのぉ……」
そこへ入ってきたのが水瀬達だ。
「何だか、スゴいことになっているご様子なのですが」
水瀬が恐る恐るという声で訊ねたことに、太田は短く答えた。
「現在、妖魔400と森林地区にて接敵。交戦中です」
「戦況は?」
日菜子の質問にも同様だ。
「すでに敵戦力の4割が脱落。艦砲が」
ズズンッ!!
「今度の着弾で新たに2―――」
太田の言葉を遮るように通信兵が悲鳴に近い声で報告してきた。
「C8、A4、D3に新たな敵!」
「どこからだ!?」
「地下ですっ!地下通路を破壊してそこから!」
「進路は!?」
「A、C中隊を包囲する模様!包囲陣形ですっ!」
「くそっ!各メイド隊へ通達!最前線を放棄!敵陣形成完了前に第3線まで後退!移動困難な重火器は放棄してかまわんっ!防空小隊を3線へ回して対地攻撃任務につかせて撤退支援させろ」
「はいっ!本部より各中隊へ―――」
「大盤振る舞いだな」イーリスが感心したように呟いた。
「兵器より人命か」
「そういうことでしょうね―――ところでイーリスさん」
水瀬は霊刃の作動を確認しながらイーリスに声をかけた。
その意味がわかるイーリスも、ナイフを確認しつつ、太田に声をかけた。
「うむ。太田少佐。我々騎士も加勢したい。出番はあるか?」
「しばらく待ってください」
太田は戦況モニターから目を離さずに答えた。
「メイド隊が後退次第、空爆を開始します」
「中隊全小隊長宛!後退だっ!」
機関銃班から奪い取ったMG-42を撃ちながら時子は叫んだ。
「持てない火器は塹壕の中へ放っておけ!後で回収するっ!戦線放棄!後退しろっ!」
すでにメイド達は負傷した者を抱えて後退を開始している。
「っ!!」
時子はとっさに銃剣を抜き振り向き様に一閃した。
ギャァァァッ!!
妖魔が真っ二つにされて崩れ落ちた。
戦果を確認する間もなく、時子はMGの給弾ベルトを交換、迫り来る敵をなぎ倒す。
「後退だっ!」
背後では今までとは異なる射撃音が響き出した。
Flakvierling 38(38型2cm4連対空機関砲)の射撃音にガドリング砲の砲声が混じっている。
対空小隊が前に出た。
砲弾の数で相手を圧する連中の射撃が続いているということは、後方にもかなりの敵が展開しているいい証拠だ。
「後退……後ろへ退く―――嫌いな言葉ですね」
由美子がMP-40を乱射しつつ、毒づきながら言った。
「そんな敗北主義者的言葉はメイドには似合いません」
「なら言い方変えてやる」
「どう?」
「回れ右!駆け足全速っ!」
「―――お見事」
由美子は時子の後に続いて走り出した。
5分後―――
「戦車小隊敵陣突破に成功。弾薬消耗大なれど損害なし、全車可動とのことです」
「よし。所定ポイントにて弾薬補給を急がせろ」
「A、C中隊、敵包囲網の一部を突破!室町中尉より入電。後退完了まであと5分欲しいとのことです」
「さすがに逃げるのだけは上手い」太田はぼやいた。
「褒めてやりたいが……そうもいかんか」
「太田様?」
モニターを見つめる太田を呼んだのは、指揮所に入ってきた夢見だ。
珍しく取り巻きがおらず、そのかわりに執事らしき男達に囲まれていた。
夢見は、ちらりと日菜子(春菜)を盗み見るようにして、バツの悪い顔になった。
「爆撃機の方、準備が完了しています。爆撃許可いただければ、いつでも」
「……メイド隊は3分以内に後退を完了します。そのタイミングで」
「わかりました。本木。爆弾が流れないように注意して」
その言葉に、控えていた執事が腰を折って応じた。
「心得ました」
執事が通信機をいじり出す。
夢見にも聞こえるようにという配慮だろう。
水瀬の耳にも通信が聞こえてきた。
『戦略重爆撃機隊司令官より“ホグワーツ”。あと5分で現場上空へ到達。正確な爆撃位置及び爆撃許可を求む』
「太田様?メイド隊は3分でしたね?」
「2分です」
「よろしい。本木。爆撃許可」
「はっ」
「さっ、西園寺さん?」
水瀬がたまらず夢見に訊ねた。
「あら?水瀬さん。いらっしゃったの?ご機嫌よう」
「ご、ごきげんよう。……あの、ば、爆撃って、一体、何を」
きょとんとした顔の夢見がそれに答えた。
「あのバケモノ達を石器時代に戻してやるだけよ」
「な、なんだかすごくヤバい気が」
助けを求めようと視線を動かすが、肝心の皇女様は携帯電話にかかりっきり。
その横では栗須がなにやら複雑な機器にパソコンをつなげたモノを相手に格闘中だ。
口を挟むつもりすらないらしい。
「ちなみに、爆撃ってどこから?」
夢見は黙って空を指さした。
「下から爆撃出来ますの?」
「それは……まぁ」
「戦略空軍の「飛鳥」をレンタルしたのです。10機ほど」
「飛鳥って、重爆撃機の?」
重爆撃機「飛鳥(あすか)」
日本空軍が米軍のB52を参考に作り上げた世界最強の戦略爆撃機。
一機で高々度爆撃から低高度爆撃までなんでもこなす万能を誇る。
ちなみに爆弾搭載量は最大20トン。
米軍のB52と共に戦線へ爆弾の雨を降らせたことでも知られ、水瀬にとってもなじみ深い機だ。
「そう」
「あれ―――レンタル出来るんですか?」
「常識です」
「……」
『ホグワーツへ、これより貴殿の指揮下で爆撃アプローチに入る』
『爆撃誘導機より編隊各機。最終爆撃アプローチに入った』
『編隊長機より各機。爆弾倉解放』
上空からこれまでとは異なる爆音が聞こえてくる。
「メイド隊、3線まで後退完了!」
「全メイド隊宛、空爆に備えさせろっ!」
(これは悪夢だ。悪い夢なんだ)
水瀬は、なんどもそう呟きながら、星の瞬く暗い空を見つめていた。
神様。
水瀬は星に祈った。
僕、何か悪いことしたんでしょうか?
『投下!投下!投下!』
『宜候』
上空から、無数の爆弾が学園めがけて投下され―――
隙間のない爆音と振動が全てを揺るがす。
妖魔達も、これでは無事では済まないだろう。
戦争の経験からして、十分な移動能力や防御魔法が使えない下級小型妖魔なら、これでほとんどが倒せる。
把握している限りの妖魔のデータから判断して、これで終わる。
後は、自分とイーリスが出ればそれで済む。
もう、これ以上、ここを戦場にする必要はない。
水瀬はそう判断した。
いや、そうとしか判断できなかった。
「と、とにかく、これで終わった。終わったんですよね!?ね!?」
水瀬の言葉に、誰も応えようとしない。
「ま、まさか―――まだ、あるんですか?」
水瀬の視線の先。
無線機でどこかとやりとりする日菜子の姿があった。
日菜子は、何かをやるつもり―――
いや、何かをしでかすつもりだ。
その、何かはわからない。
だけど、近衛軍でも動かしたら無事で済むはずがない。
突然、日菜子が栗須に叫んだ。
「メイド隊へ通達。1分後に大規模艦砲射撃を開始。各員対衝撃、対閃光防御!」
水瀬は、少しだけ気絶した。
日菜子の携帯電話に通信が入った。
“艦砲射撃”の相手からだ。
『“信濃”砲術長より殿下。砲撃ポイント到達。主砲射撃準備完了。御下命を』
「で、殿下!」
ほらやっぱり。
「砲撃がそれないように厳重に注意」
「し、信濃を持ち出したのですか!?」
信濃―――
飛行戦艦「信濃」のこと。
全長560m、基準排水量330,000tの巨体を4600mm三連装MMR砲塔四基を筆頭に数多くのマジック・ランチャー(魔法光学兵器・一種の光線砲)でハリネズミのように武装した、世界最強の戦艦。
単艦で米軍の一個機動部隊に匹敵する戦力だ。
「それが何か!?」
「や、やめて下さい!あの砲撃って、戦術反応弾(核兵器)の使用と変わらないんですよ!?もう十分です!もう十分ですから!」
水瀬が泣きながら日菜子を羽交い締めにして止めようとしたが、日菜子は耳を貸そうとすらしなかった。
「何を言うのですか?ここまで来て!―――というか、ドコを掴んでいるのですか!?」
オトコの手が自分の胸を鷲掴みにしていることに日菜子は赤面しながら言ったのだが、パニック状態の水瀬にはそんなことにかまっている余裕はない。
「肋骨です!」
「殴りますよっ!?」
日菜子は無線機に怒鳴った。
「一斉射撃!撃ちなさいっ!」
「ダメーッ!!」
水瀬の絶叫をかき消すように、目の前がホワイトアウトした―――
1時間後
「……」
水瀬は、更地になった森林を前に呆然としていた。
あれほどの木々が生い茂っていた森は、今や黒焦げた平原に変わっている。
太田の話だと、残存の敵は戦線に復帰したメイドによって殲滅されたという。
無理もない話だ。
「は、ははっ……」
火器による攻撃
海上からの艦砲攻撃
大陸間弾道弾の直撃
重爆撃機による絨毯爆撃
信濃の艦砲射撃
これで無事なら冗談だ。
自分だって、魔法がなければ生き残る自信は全くない。
「問題ありません」
夢見がさらっと言ってのけた。
「何ガデスカ?」
「すぐに植林が開始されます。またすぐに緑の森が生まれます」
「バンナソカナ」
「あの森も、私たちが入学してから数回、こうなってますよ?―――まあ、これほど平地にはなってませんけど」
「ここって、どういう所なんですか?」
「こういうところです」
「ああ。眠い」
退避していた生徒達がゾロゾロとシェルターから出てきた。
「私、ずっと戦況モニターにつきっきりでしたからもう眠くてダメですわ」
「あら大変。美容に悪いですよ?」
「はっ……ははっ……」
水瀬は声をあげて泣きたい心境だった。
戦場を戦場と認識せず、あくまでゲームと見る、地上で最も厄介な存在達が自分の周りにいる。
しかも、それは自分が傅くべき立場だ。
あまりに理不尽だ。
「まぁ、楽しかったですわね」
夢見はポンッと水瀬の肩を叩くと、部屋を出ていった。
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