第13話 帰宅を楽しむ
襲撃もあったが、今は落ち着いて城に戻っている。
リズの力もあり私達にも、街にいた人たちにも被害がなくてよかった。
それにしてもなぜ人通りの多い街中で馬車を襲ったのだろうか…
あんなことをすればすぐに捕まるのは目に見えていただろうに…
いや、本来の目的は他にある…?
では、一体何を…
「レン様?いかがなさいました?」
「っ…いえ、何も。」
考え込んでいた私をリズが心配し、話しかけてくれた。
私もさっきのリズのように戦ってみたい。
「リズみたいに戦うためにはどうすればいいの?
私もやってみたいな~って。」
「そっそんな…私なんてまだまだですよ。
お姉様方のほうが私なんかよりも凄いですし…」
「それでも私よりは強いし、さっきだって助けてもらったから秘訣とか教えてもらいたくて。」
リズはう~んと悩み答える。
「そうですね…レン様の場合は力や体力の向上を狙ったトレーニングなんてどうでしょうか?
魔力は高いので、そこを補う形で…」
そうか。前の世界だと私はずっと家にいたので、体力や力は無い方だ。
「それだっ!」
「はっはい!」
私のステータスが低い理由がわかった。
そりゃあ引きこもりの私のステータスなんて底辺に決まってる。
魔力が多い理由はわかんないけど…
「でも、戦闘訓練をしたいなら前も言った通りヨーゼフさんに習ったほうが良いですよ。
私なんかじゃ全然良くわからないので。」
ヨーゼフさん…
確かリズたち三姉妹に戦い方を教えた人だよね?
城で働いてる執事という話だから今度会ったら頼んでみるのも良いかもしれない。
「相談に乗ってくれてありがとうリズ。
今度会えたら話してみようかな。」
………
「レン!!!」
城に着くなりアルフレッドが私を心配したかのように駆け寄ってきた。
「大丈夫かい?街で襲撃を受けたんだよね?
本当に心配したんだよ…」
私の手を取ったアルフレッドが顔を覗き込んできた。
「大丈夫ですよ。
リズのおかげで私達も街の人達にも被害はありませんでしたし…
えっと、手を離してもらえますか?」
手を離してもらった後は、すぐに食事となった。
食事の場ではエルメイア王国の王族の皆さんに心配され、正直何もしていない私は肩身が狭く、ただでさえ美味しくないご飯の味を感じずに終わった。
その後は湯浴みをし、寝間着に着替える。
明日は今日の事件の処理と、仕立て屋さんを呼んで私の採寸をするらしい。
正規品を買うなんてことは出来ないので1から服を作ることになる。
型やデザインはアリシティアさんがもう既に決めているので婚約式のためにも早急に仕立ててもらうらしい。
私のいないところで話が進んでいて正直怖いけどもうどうにでもなれ。
そして、寝る前に…
「リジ、明日はいつもよりも2時間ほど早く起こしに来てくれないかしら?」
そう。私には作戦がある。
でもその前にリジに起きる時間の変更を伝えておかないとね。
外を移動するときはメイドを連れて行くことになっている。
「…承知いたしました。
では、おやすみなさいませ。」
「ええ。おやすみなさい。」
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