第40話

斉藤防衛大臣は副大臣・高倉慎造(タカクラシンゾウ)と会話している。

斉藤防衛大臣が所属する桜井派は、伝統的な価値観や文化を重視し、国家主義的な政策を支持している。

彼らは、自衛隊の強化や国防政策の強化を訴え、外交政策では力強い姿勢を示すことを重要視している。


斉藤大臣は高倉副大臣に対して、中華連邦と臺灣民主共和国の間の軍事的緊張について言及する。「高倉君、中華連邦と臺灣民主共和国の緊張が続いている。我々は日本の安全保障の観点から、積極的に関与するべきだと考えている。」


高倉副大臣はうなずき、「斉藤大臣、私も同意見です。我が国の安全保障にとって、中華連邦と臺灣民主共和国の対立は無視できない問題です。このまま何もしないで、事態が悪化すれば、日本も巻き込まれる可能性があります。」


斉藤大臣は力強く言葉を続ける。「だからこそ、我々は自衛隊の強化に力を入れるべきだ。さらに、米軍との連携を深め、共同で臺灣民主共和国周辺での軍事演習を行い、中華連邦に対して我々の決意を示す必要がある。」


高倉副大臣は慎重に言葉を選びながら質問する。「しかし、軍事演習を行うことで、逆に中華連邦との緊張が高まるのではないでしょうか?」


斉藤大臣は即答する。「緊張が高まるかもしれないが、今の状況では、我々の姿勢を明確に示すことが重要だ。力を持ってこそ、平和を守ることができる。我々は、国家の安全を守るために、積極的な行動を取らなければならない。」


斉藤防衛大臣はSTEAドローンについて言及する。「最近、STEAドローンが注目されている。これらのドローンは無差別攻撃の危険性をはらんでいる。しかし、同時に、こういった新しい兵器に対応するために、我々は技術の進歩を怠らないことが重要だ。」


高倉副大臣は続けて、「そうですね。そして、我々が臺灣民主共和国に天風を供与し、技術協力を行うことで、彼らの防衛能力を向上させることができます。同時に、我々も彼らと共同で技術開発を行い、自衛隊の能力も向上させることができるのではないでしょうか。」


斉藤防衛大臣は同意する。「まさにその通りだ。我々は、中華連邦との緊張が高まる中でも、同盟国である臺灣民主共和国を支援する必要がある。また、彼らと協力して、自衛隊の能力をさらに高めることで、我々自身の安全保障も確保できるだろう。」


斉藤防衛大臣は、さらに話を進める。「我々は臺灣民主共和国との関係をさらに強化するため、特使を派遣することを提案しよう。桜井派の議員である八神篤史(ヤガミトクシ)さんはどうだろう。彼は国際政治に精通しており、また、我々の考え方にも理解がある。彼を特使に任命することで、臺灣民主共和国との信頼関係を築くことができるだろう。」


高倉副大臣は、その提案に賛成する。「八神議員は確かに適任ですね。彼が特使として臺灣民主共和国に派遣されれば、我々の意向も正確に伝えることができるでしょう。この提案を実行に移すことで、日本と臺灣民主共和国の関係をさらに強化することができると信じています。」


斉藤防衛大臣は満足げにうなずき、「では、速やかに八神議員に連絡して、特使としての任命を打診しよう。我々は、中華連邦との緊張が高まる中で、同盟国である臺灣民主共和国との関係をしっかりと築いておく必要があるのだ。」と力説した。


高倉副大臣は執務室を出る。やれやれと思う。八神氏は桜井派の中でも強硬派と言われる人物だ。そんな人を特使に派遣すれば、火に油を注ぐことになりかねない。もしかしたら、これが斉藤防衛大臣の狙いかもしれない。彼の権力基盤を強化するために、緊張感を利用しようとしているのかもしれない。


軍事演習にしてもそうだ。米軍の賛成を前提とした軍事演習を行っている。しかし、その演習は本当に米軍の意向に沿っているのだろうか。もし米軍からしごを外されてしまったらどうするのか。そのような事態になれば、日本の安全保障は一気に崩れ去ってしまう。


高倉副大臣は独り言を漏らす。「斉藤防衛大臣の考え方には危険な部分がある。彼の政治的野心のために国の安全が犠牲になることがあってはならない。何とかして彼の動きを抑える方法を見つけなければ…」


心の中でそう決意する高倉副大臣は、これからどのような行動を取るべきか、慎重に考えることにした。これからの動きが、日本の安全保障の行方を左右することになるかもしれないのだ。

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