第12話 侵略遊戯、その3終了

ハエの顔をした巨人が扉の向こう側に現れたため、俺は古都音を連れて後退る。


扉を閉めていた女を見つけた朝未。


俺は声をかけた。

「なんで全員閉めようとしないんだろうな。」

女は俺を見たがそれだけだった。


「変なこと言ったな、でもよこんな所でずっといるとお前怒られるだけだぞ。」

女はなにも言わなかった。


俺は彼女に死人がでたぞと言おうとしたが彼女の瞳には涙が流れておりそんなことは言えなかった。



「なんでこんなことになったんだろうな。」

という呟きが聞こえたらしく古都音が反応した。

「なんでだろうね。」


俺は古都音を見た。恥ずかしかったのですぐに目を離した。


「あんたらはどういう関係なの。」

「同意ったら良いんだろう。」

「仲が良いだけの友達よ。」

「そう……。」


「あの扉をあんたが来てからずっと閉めてるのか。」

なにも言われなかった。

「この場所に来てからあんたが扉をずっと閉めてるのか。」

「そうよ……。」

俺は情けなくも驚いて

「そうなのか。大変だったんだな。俺も手伝って良いか。」

まあ有無を言わせずやるけど知りたいことがあるから。


スマホを取り出し侵略遊戯のアプリを開いた。

アプリには地図が描かれており位置情報までわかった。


この広い空間は一番下の真ん中に位置しいる。

そして、左右に部屋がありそこが四隅の一つとなっているが左の部屋は真っ黒に塗り潰されている。

なのに、そこへと向かう人が大多数である。


中央にタワーの様なものが書かれている。

それは上の真ん中にある。

あのハエの怪物があそこにいるのだろう。


そして襲ってきているのはそのハエの従属かなにかだ。

そうであると思う。ハエの化物の可能性はあるがおそらく今もあの扉の前でまちかまえているはずだ。


俺と古都音も左の部屋へと向かうため扉へとやってきたが開かなかった。

鍵がかかっているのだ。


ダメかとあきらめて右の扉の前にやってきた。

そこにはまた扉を閉めている女の姿があった。


またやってるのか。

俺はなにも言わず扉を開いて前に進んだ。

「朝未君、朝未君!なにをやってるの!」

古都音の声が聞こえたが扉を閉めた。


朝未、なにやってるの。

と聞こえたけど俺は前を進んだ。


俺の近くには行き場をなくした人が1人もいなかった。全員扉の奥で隠れているのだ。


扉の前でこちら側に行く機会をうかがっているものもいるようだ。


ハエの顔をした巨人がやって来た。

口元をよくみると手のようなものが上下に大量にありになっており、


俺を見ている全員がなにやってるのだろうという目で見られている。


なぜなら俺はスマホを操作しているからだ。


俺の手にはロケットランチャーがある。

それが怠惰の特典は『獲得』。

怠惰の硬貨を三つを好きな物で獲得できる。


人すらもらえるのかと思ったけど三つ全部武器を選択した。

その一つがロケットランチャーである。


あとは引き金を引くだけだろと思われているだろうがどうすれば引き金を引けるのかわからない。

それを調べている。



ハエの顔の巨人にロケットランチャーの弾が当たり激しく爆発し煙が上がる。


倒したかと見守る、そこへ手が伸びてきた。


その手に俺は反応できずに捕まった。


もうダメかと思ったときアプリにはもう二つ怠惰の特典がある。

一つが刀、もう一つが弾の保管庫。

つまり刀がある。柄を外す手間はあるが使えるのではと刀を選択し手に取る。

その刀の柄を地面に落とし、目の前にある手を斬る。


高さ3メートルの地面へと落ちていく俺。

そこへ斬ったはずの手が伸びてきた。

そして、再び手に捕まれることはなく叩かれた。


俺は後ろに吹っ飛ぶことはなく壁に叩きつけられた。

まるで子ハエを壁に叩きつけるように。


しかし、壁に俺は叩きつけられてないなかった。


俺は色欲鬼に助けられた。

俺は頭がおかしくなってしまったのか、そう思って一度瞼を閉じて確認する。

俺は頭がおかしくなってしまったらしい。

俺を助けてくれたのは死んだはずの美郷だったのだ。


困惑した。混乱した。


目の前の状況が理解できずただ美郷の顔を見つめた。


俺が美郷の顔を見つめていた間に俺は扉の中に入っていたらしい。


美郷の顔をしたそいつはハエの顔をした巨人に俺の手にあった刀を持って突撃した。


その刀で首に一撃をすると首と胴体を二つに分けた。


俺達は唖然とした。


あれを倒すことが出きるとは俺は半信半疑だった結果できなかった。

しかし、彼女はやって見せた。

彼女は本当に人間なのかも疑わしい。


そんな彼女が俺の前にやって来て俺の頬を叩いた。


そして、真ん中にあるタワーの様なもののところに案内された。


その中に硬貨があった。

暴食と描かれた硬貨があった。


その硬貨を手に取るとゴゴゴゴゴと動く音が聞こえると扉が全て開いたのだ。


俺は古都音と子とねと一緒にいた、扉を閉じていた人と一緒にタワーの下の扉を入る。


すると真っ暗な広い空間へとやって来た。

後ろを見るとなにか大きな物によって扉が埋まっている。

ブブブと羽の音が聞こえる。

ここは蝿の化物がいた最初の入り口の奥なのだとわかった。



スマホの通知音が鳴り響く。


あなた方は全員脱出しましたわね。


しかし、14名の方が命を落としましたわね。

残念でなりませんわね。


そんなあなた達に朗報がありますのよね。

朗報というのはですわね、次からはやり方を変えてさしあげますわね。

だから誰も死なないでいただきたいと思いますわ。

お願いしますわね。


それは次回の話ですわ。

今回第三回は喜ばしいことがありますわ。

侵略遊戯第三回の暴食では硬貨を獲得した人がいますの。それは今まで誰も成すことのできなかった素晴らしい功績ですわ。


あなた方にあげられる特典は限られていますから理解して欲しいわね。

あなた方への特典は『食獣化』ですわね。


食獣化というのは体を獣の姿に変えることが出来ますの。あなた方は獣化できるという力ですわね。


これは硬貨を獲得したあなた方特別ですわ。

それはその状態を体が覚えるというものですわ。

どう素晴らしいでしょう。


しかしね、条件があるわ。

あなた方1人1人が食べたことのある獣にしか姿を変えられないわね。


ごめんなさいね。


これで終わりですわね、暴食からの連絡は終了いたしますわね。

侵略遊戯第三回に暴食を選んでくれたみんなありがとうですわ。



通知で届いた連絡にはそう書かれていた。


なんともイラッとする文面である。


そうして暴食は終わり家の自室。


その他の場所。

色欲14人、怠惰12人。

嫉妬36人、憤怒10人、傲慢4人。

の合計90人。か、死んだやつらはたったのそれだけか。しかし、覚醒したやつが現れたな。

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