第5話 勝利の祝杯


色欲に勝ったことを告げる通知が来た。

後再び通知が来て、特典と誰が決めたか名前が書かれていた。


そこには篠原楓とあった。

それは教師の名前だった。


有利に進められる特典は「愛」。

だそう。

なんだよそれと疑問に思った人達が多くて抗議の声が多かった。


それも一瞬で静まった。

「うるさいわね、あんた達。こんな人達に負けるなんてふざけるじゃないわよ。本当に。」

と女鬼が立ち上がり話し出したのだ。


「あなた達には負けたわ。でもね、次会う敵は私なんて眼中にないわよ。」

笑みを浮かべながら女鬼は楽しそうにいった。


「あなた達人間が私たち侵略者に勝てるか楽しみにするわよ。」

あなた達人間が勝てるわけなんてないけどね。

私はあなた達人間に期待があるのよ。

だってあなた達には不思議な力があるもの。


色欲の女鬼は消えてしまった。


不思議な光景だったが普通に授業を再開しようとする教師達。

しかし、教室に戻る前には黒くなった焼死体があった。


焼死体は全員体育館の中に連れ出しブルーシートをかけた。


警察に連絡するか学校側は考えたが警察が学校へとやって来た。

そして、生徒の親たちが生徒を迎えにやって来た。


死んでしまった生徒の親たちは亡骸を見ながら涙を流していた。


「ふざけるなよ。」

「なに死んでんだよ!兄貴。」

俺も後一歩で死ぬところだった。

それにしても、先生は人気だな。生徒の救世主だもんな。

反感持ってる親達もいるけどな。


親や家族は辛いだろうな。

こんな訳のわからない死にかただからな。


           ・ ・ ・


翌日、通知が来た。

色欲22、怠惰38、暴食200、嫉妬130憤怒48、傲慢282。


初日で合計740人か。頑張ったな。

君達は初日でこの6人に勝利した。

お見事だパチパチ。


次回も6日後、ではなく30日後に行う。

生き残った者達よ。選べどの大罪人を相手にするか。

選ばなければ死が待つのみ。


           ・ ・ ・


「もてあそんでいるのか。」

学校は休校となった。

こんな状況なら仕方がないだろう。


「そうじゃない。こいつらは人の死に様を見て楽しんでる。」

「死んでしまった人がこんなにいるのになんなのよ、なんでこんなことしないといけないのよ。私は、私は、普通の学校生活を望んだだけなのに。なんでこんなことになるのよ。」


「おい、なんで俺まで一緒なんだよ。箕郷。」

「いいじゃない。」

「それ気になるよ、箕郷。」

「俺も気になる。なんでお前らが俺の部屋にいるんだ。兄さんも。」

俺が聞きたい。と言った顔で俺がいることがそんな不思議か。玄関からお前の部屋に連れてきたらいつの間にかこうなっただけだ。と戻りたそうに言った。

なら部屋に戻ればいいのに兄さん。


「そうなこと言うなら早く部屋に戻れば先輩。」

「箕郷、朝未君のお兄さんと知り合いだったの。」

古都音さんは兄さんのことを箕郷さんが知ってることが意外だったみたいだ。俺もなんでか知らないけど兄さんが飲み物を持ってる来るわと部屋を出ていった。


「箕郷さんは兄さんとどういうなかなんだ。」

「私も気になる。どういう仲なの。」

「告白されたのよ。」

「「え。」」


「本当に兄さんが箕郷に告白したのか。」

「そうよ。」

「「え、えーーー!」」


「麦茶持ってきたぞ。」

朝未と古都音は兄さんを見る、驚きの顔のまま。


「箕郷、どうしたんだ。二人とも。」

「恋仲だって話したらこうなっただけ。」


      ・ ・ ・


そうか。

「なに言ってるんだ箕郷。お前とは恋仲なってないだろ。告白したけど。」

ポカンとする朝未と古都音。

この人なにいってるのだろうと思う二人。


兄さん、なんで箕郷さんと自分との恋仲だと思ったのだろう。


兄さんはただの子供の悪ふざけだと言った。

それに対して最低と女子二人が言った。


兄さんの彼女じゃないのか箕郷さん。

と俺はちょっとがっかりした。


麦茶を置きじゃあな。と部屋を出ていった。


取り残された俺らは少し黙っていた。


ごめん帰るね。と言って箕郷は帰ろうとする。

古都音が呼び止めると目が潤い鋭い目付きの箕郷がそこにいた。


「ごめん、箕郷。」

「俺が出ていくからこれでも飲んでろよ。箕郷。」

「これ麦茶。」


悪いかよ、牛乳じゃなくて。

「ホットミルクにした方がいいなら今から持ってくるぞ。」

「大丈夫よ朝未君。いじけてるだけだから心配しないでいいよ。」

「そ、そうなんだ。わかった。」

俺は心配した意味がないのかと不安に思いながらも自分の麦茶を持って部屋を出ていった。


部屋に出てあれここ俺の部屋だよなと思ったが首をふり気にしないことにした。

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