第3話 日常3
古都音が学校へとやって来た。
古都音に挨拶する親友の山崎箕郷(やまざきみさと)。
「それで古都音さん。どうだったの。」
「どうってなんの話、箕郷。」
「もうー、とぼけちゃって。古都音さんはー。」
なんの話よ、箕郷。
言いたいことはわかるけどいわないわよ。
恥ずかしいもの。
「それでー、古都音さん。朝未君とどっか行くって聞いたのだけどどこへ行ったの。」
「劇観に行ったの、舞台をね。最近話題の上村亮(かみむらりょう)様を観に行ってきたのよ。あー美しかったな。亮様が……いったあの言葉今でも忘れない。」
上村亮様……の舞台に男と行ってこんなにもファンであるなんてあんたもただ者じゃないわね。
「そ、そう。」
わかるわよね、朝未君の気持ち。
朝未君がかわいそうよ。
「朝未君となに話したの。なにか言われた朝未君に。」
「な、なにも言われてないよ。うん、朝未君になにも言われてない。」
ふーん、顔真っ赤だよ。
嘘つかなくていいのにね。
これなら、朝未君が来たらもっと面白そう。
朝未君来ないかな。
「本当になにも言われなかったの、朝未君に。」
「……言われてない。」
顔を押さえる古都音。
自分の顔が暑くなってることに驚いている姿を見逃さなかった箕郷。
その姿にムカついたから笑顔でいた。
「言われてないならいいけどね、朝未君と古都音は似た者同士だと思うからお似合いだと思ったのに。朝未君なにもいわなかったんだ。」
そんな風に箕郷は思っていたんだ。
古都音はなにも言わず箕郷の言葉を聞き入っている。
「なに、気にならないの。朝未君のこと。古都音。」
「気にはなるけど箕郷は朝未君のことどう思ってるのかの方が気になるよ。」
「古都音と朝未君が恋人同士にならないかなって思ってるだけよ。お似合いだから。」
二人とも物語大好きだし、小説と漫画で読むジャンルが違うけど。二人とも努力家で真面目。
それに、人に対して不器用な所も似てる。なにより、古都音は朝未君のこと見てるときが一番輝いてる。
好きな人はいるけど朝未君は古都音とくっつくのが一番だと思う。
古都音が箕郷と呼び掛けている声が聞こえななかった箕郷。
「どうしたの箕郷。」
声をかけられていることに気づいた時に少しビックリした箕郷。
古都音になにかようか聞くと饒舌だった人がいきなり話さなくなったら心配になるものよ。と言われた。
そうだね、と思った箕郷だったが声には出さなかった。
話題を変えて最近話題になっている遊戯の話をする箕郷。
「そ、そういえばさ、古都音も見たわよね。ゲームの話。」
「なんの話してるの箕郷。」
「えっ!見てないの!古都音。」
「なんのことかわからない。」
ゲームやるならそのゲーム見せてくれればいいのにと思う古都音。
「土曜日に通知が来たのよ。6日後、ゲームをする。君達に生きる意味を教えてあげようっていうメッセージがね。それ見てないの古都音。」
「そんなの知らないよ。」
古都音と朝未が劇観ていた時にそのメッセージが届いたため聞いていなかった二人。
そこへ朝未がやって来た。
朝練が休みの日は時間ギリギリな朝未であった。
朝に筋トレすると学校に行く時間になって眠くなるため学校で眠ってもいいのだが、一度途中で眠ってしまい車に引かれかけたことがある。なので、その考えを捨てて時間ギリギリにやってくる。
そんな朝未であった。
・ ・ ・
午前中の授業が終わり古都音と箕郷は教室でお弁当を食べていた。
6日後に行われるゲームとはいったいどんなものなのか。
古都音は箕郷に聞くのだった。
箕郷はとあるウェブサイトを見せてくれた。
そこには侵略遊戯という画面いっぱいに描かれたロゴのようなものが現れ、次に詳細が描かれていた。
一番上にはタイトルロゴの侵略遊戯とあり、その下には君達に生きる目的を授けるゲームショーを始めようと描かれていた。
君達、人間は生きている意味を模索するものも多数いるようだからな。君達にゲームショーという名目で授けよう。
ゲームのルールは
君達人類に我々七人を倒してもらう。
たったそれだけのゲームだ。
我々の1人を倒した勝者にはこのゲームを優位に進行するための贈り物を一つ授けよう。
無論、敗者は死ぬだけだ。
それだけ我々が強いというものだ。
楽しみに待っていろ。
我々七人をどういったゲームで倒すかは君達人間が決める。
ゲーム内容を考えておくことだ。
期限は6日後。楽しみに待っていろ。
以上である。
偉そうな言葉が羅列していた。
このゲームをする目的も意味もわからないけど死ぬのは嫌よと思った古都音。
古都音はそのまま泣き出してしまった。
その時朝未は食堂で勝ち取った焼そばパンとコロッケ、お茶を飲んでいた。
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