第15話 小蝙蝠
今の時刻は何時だ?
目を覚まし時計を見る。
(5時12分)
重たい瞼を開けその場に立ち上がる。
やはりこの体勢で寝るのは辛い。
固まった首の回りをほぐすように首を回し、肩も回す。
軽くストレッチをし水を含みうがいをする。
朝食に昨日焼いたダークスネークの肉とパンを食べて水を飲んだ。
(今日は3階に突入だ。 まずはセーフティーゾーンを確認し痕跡を探さなくては)
今日やる事を頭の中で考え準備を整える。
準備が出来ると
(
では行くか、と
今日はアッシュウルフにかまけている時間が惜しい。
準備が出来ると3階へ続く通路を目指した。
3階に足を踏み入れる。
(ここも上の階と変わらず洞窟か)
耳を澄まし辺りを見渡す。
(近くで戦闘音は無いな、じゃあ行くか)
軽く深呼吸をし駆け出した。
(……!!)
しばらく何事もなく進むと上から何かが降って来た。
思わずしゃがみ上を見る。
(
天井の死角に住み着き探索者が出す音に反応する蝙蝠だ。
(1匹1匹は大したことないけど……数が多い!!)
噛みつこうとする
(痛っ!!)
ナイフ1本では太刀打ちできない数にどうしようと焦る。
「
ビタビタビタ!!
仕方がないので
『レベルが上がりました』
「嘘?!」
どうやら
「
(……焦ったけどもしかして経験値美味しい?)
(かなり経験値美味しい!!)
「
(だけどまずはこの階の確認をしなきゃ)
音で攻撃対象を認識するなら音を消す。
魔法が聞いているうちにその場を離脱し奥の方へ駆けた。
1時間ほど走り回りセーフティーゾーンを発見する。
(……ここに居た)
見れば先発隊らしき人達が休憩を取っていた。
(人数は……10人? 結構多い……のか? これで全部?)
少し離れた場所から様子を伺う。
見れば全員疲れが見える。
(ここからじゃ音が聞こえない……そうだ)
「
先発隊の所に集音魔法を飛ばし話を聞くことにした。
「それでこれからどうすんだ?」
「奥に行った恩田達を待つしかないだろ」
「ちっ……なんであいつらを追ってったんだ!! ほっときゃいいだろうが!! どうすんだよあの蝙蝠!! あいつらの魔法が無きゃ進むどころか帰ることだって無理だろうが!!」
「だから戻ろうって行ったのに……」
「
「対策も何も……今からじゃ無理だろうが!!」
「ならだれか連れ戻しに行ってよ!!」
「は?! 死ねって言ってんのか?!」
「そんな事……言ってないじゃない……」
「あーーーくそっ!! だからあいつら入れるの嫌だったんだよ!! こうなるの目に見えてたじゃねーか!!!!」
「そんなに大声出さないでよ!! 傷に響くでしょ!!」
(……揉めてる?)
どうやらこの先発隊もあの
確かに突然上からあの密度で来られたらひとたまりもない。
(撤退したがってる? でもあの
ずっとそこに居られてもこちらも気になってしまう。
ならば先の階に進み仲間とやらをこの階に追い立てればいいか?
そんな事を考えながら
前を通過するときもまだ言い争っている声がしたが私の知ったこっちゃないのでそのままスルーした。
それからしばらく走り続けると4階へ続く道が見えた。
(そう言えばこの階はアッシュウルフもダークスネークも見当たらなかったな)
後ろを振り返り小首を傾げる。
(……もしかしてリポップしても
そう切り捨て次の階へと進んだ。
次の階に降り立ち耳を澄ませる。
「……ら……だ」
遠くから声が聞こえた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます