第5話 ハンドル
わけがわからなくなってしまい、都会を走ってる途中で出て行ってしまった。
「ねえお母さん」
絞り出した必死の言葉。この一言で泣き崩れた。
母はかなり驚いて、見たこともない態度になった。
隣の女は、驚きそれ以上に恐れていた。
「なんで、、、」
「なんで不倫なんかしてるの、」
今まで聞けなかったことをやっと聞けた。
2人は何も言わない。
“え?なんで?笑”
「ねえ、なんで!」
聞こえるのは車のモーター音だけ、私がこんなに罵ってるのに隣の女は運転を続けてる。
ああ、私馬鹿にされてるんだ、見下されてる、母は私のところじゃなくて、あんたのところに行くって、もう自信もって思えるくらいなんだ。
実際はわからないけどその時の私はそうとしか思えなかった。そして女が運転していることをわかっていながら後ろから殴りかかった。ハンドルは誰もつかめなくなった。車は車道から大きく外れた。事故。
当たり前に病院に搬送されていた。私は重症だったようでしばらく寝ていたよう。母はまだ眠っている。女は軽傷で済んだようで病院にはいなかった。
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