第4話 終止符
あなたが愛しているのは、旦那さんではない。
あなたが愛しているのは、私の父親ではない。
世間から見てダメなことだよ。
やめてほしい。
気づいてないふりをするのはもう辛い。
誰の声も届かない。恋は盲目。自分以外の大衆が傷ついてるのに気付けない。
だから、もう、私が終わらせてあげる。
そう思い、母が女になる日に私も着いていく。
2人が車を降りる時にそっとトランクに乗った。絶対バレると覚悟して乗ったがバレずに乗れた。逆に何でバレないのか、謎だったが、とりあえず2人が戻るのを待つ。車はタバコ臭い。母はタバコを吸う男がすきなのかとか、どんな男なのかとか、そんなことをずっと考えてた。余裕を装ってるけど手は震えてる。内心はすごく怖い。でもそれ以上に日常が辛いから耐えられる。
声が近づいてきた、母の声だ。今、いま出て行ってやる、そう思い、車の中から母と男の顔を見た。
母と、女だった。
20代前半だろうか。どういうことかわからなくなって、車に乗り込んできた2人の会話を聞いてた。どうやら2人は不倫をしている。同性愛。
普段だったら同性愛に対して嫌悪感など抱かない。様々な愛の形だとそう思うが、今回はそう思えなかった。20代前半の女、私とさほど変わらない、ほぼ娘のような女に母は恋をしているのだ。私は?
パニックになってしまった。今日はもう帰って寝たかった。でも車のトランクに乗ってしまった以上、バレずに帰るのは無理だ。もう、2人の間に出るしかない。意を決して、出て行った。
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