<36>monster

何気ないありふれた日常が

全て幻想だったと気付いた

欲に侵された怪物どもが

街をつくって

今も人の姿を作っている


歪みだした日常に

光を当てるために

鬱陶しい闇を払い除けた


怪物は欲望に耐え切れずに死んでいった

自分もいつか死ぬのだろう

自分は化け物の子だ


この優しい日常に溶けてゆけば

私もいつか戻れるだろうか

水に溶けて消えてしまっていいから

そこにいる悪魔よ

どうか耳を傾けて


向日葵が枯れて零れていった

花弁を散らせて死んでいった

こうやってアイツラも

死んでいくのだろう


溢れたネオンの光

たたずむビル 点滅するボタン

この世を隠す雲 死にゆく魂も


全てここから消えてしまえ



このまま運命に殺されても

ずっとこの世で生きられたなら

人に生を与えられたなら

それで私は充分だ


どうか光輝くあの星のように

周りを一緒に照らせたなら。

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